文房具好きとして、たいがいの文房具類や事務機器は知っているつもりだった。ところが、ふとしたことで見かけた事務機器が今まで見たことのないものだった。これだから文房具や事務機器の世界は面白い。
手書きスペースに文字を書き込む機器
先日ふとしたことで見かけたのが、マックス社の「ワードライタBL-80」という商品。商品というか事務機器というか、最初はキングジムのテプラみたいなラベル作成機器かと思った。ところが、良く見るとボールペンを動かして文字を書いてくれる道具のようだ。
http://wis.max-ltd.co.jp/op/product_catalog.html?product_code=BL90001#tab
基本的には入力した文字を印刷してくれる機器なのだが、文字をボールペンやサインペンで直接書いてくれるというのがすごい。ボールペンで書いてくれるので、複写式の用紙などでも重宝するだろう。
しかも、文字の大きさも指定することができるし、さらに0.1mm単位で大きくすることができるというのもすごい。各種申請用紙や見積書など活用の幅は大きそうだ。
見積書や請求書などの作成はパソコンとプリンターがあれば簡単に行えるが、「これに記入して欲しい」というように書式が指定されている場合にはワードライタが便利だろう。さらに、この機器があれば手先が不自由な方でも間違いなく記入することができるし、BL80というタイプは重量が1.3kgちょっとなので持ち運ぶこともできそうだ。
現段階では個人的には「これに使える!」という仕事は思い浮かばないのだが、必要とされる職場にはなくてはならない機器なんだろうなと思う。実際に動いているところを、ぜひ一度見てみたいものだ。
からくり人形を思い出すような仕様
この商品は、発売されてから10年以上が経っている。だから、もしかしたら一度どこかで見ているかもしれない。見た瞬間にどこか既視感を感じたのだが、ではどこで見たのかがはっきりしないのだ。テレビや雑誌だったのかもしれない。
つい先日見かけたのはウェブ上でのことだが、ネーム機のような形状なのにボールペンがセットされている様子を見て「からくり人形」を思い浮かべてしまった。皆さんもご存知のとおり、お茶を運んでくる人形があったり弓矢を飛ばす人形があったりして驚かされる。
江戸時代に作られた数々のからくり人形だが、その中には筆を持って文字を書くというものがある。また、人形の中にセットされている板を替えることで、数種類の文字を書くことができるのだそうだ。
今回ご紹介したワードライタも、考え方としてはそれに近いものがあるのではないだろうか。専門家から見ると「いやそんなことはないよ」という答えがあるかもしれないが、入力したものがボールペンで書かれるという部分にアナログ的なものを感じてとても良い。
機械に使われていると感じることが多い現代で、何となくだが機械を使っている感覚を受ける。そこにホッとしたものを感じているのかもしれない。