先日ご紹介させていただいた、視覚障害の方々が作られたメモパッド。福祉的な観点ではなく、単に文房具としての良さを感じてご紹介させていただいたが、その後、小売販売商品としての一歩を踏み出したようだ。
思いがけず出会ったメモパッド
事の始まりは、思いがけず一冊のメモパッドに出会ったことからだった。
個人名刺を作っているいただいている会社に、何気なく立ち寄ったときに「使ってみて」と渡されたのが黒い紙を使ったメモパッド。
以前から黒地の紙製品があることは知っていたし、使っている方も知人に何人かいた。カレンダーが発売される時期になると、ほんの少しながら黒地のカレンダーも見かける。しかし、実際に使ってみたことがなく、使ってみようという気持ちも特になかった。嫌だとか苦手だという訳ではなく、いわゆる「食わず嫌い」だったのだろうと思う。
実際に使ってみると、書いた文字がハッキリと見えて分かりやすい。弱視の方にとっても見やすいようだが、単に「カッコいいな」と思ったのが最初の印象だ。
その使い勝手の良さをブログに書いたところ、ブログをご覧いただいた方や知人から「どこで売っているの?」「買えるのなら欲しい」という話をいただいき、それが小売販売をスタートするきっかけとなった。ご縁というのは面白い。
初注文の連絡が届いた朝
今回、小売販売を始められたのが、東京新宿にある小さな名刺製作会社「まるみ名刺 」さんだ。社長さんが製作元の総合福祉施設社会福祉法人 東京光の家と関わりがあり、今回の話を伝えて小売販売を始めるようにしたようだ。
私からの話を聞いて小売販売開始を即断された理由は、この商品が売れれば東京光の家を利用されている方に少しでも工賃が入るからだろう。こういった福祉施設では販売網を持っていないことから、モノづくりをしても利用者にはほとんで工賃が入らないというのが実情だからだ。ご本人がそう言われたわけではないが、ピュアな気持ちから即断されたことは容易に想像できる。
ブログでご紹介した手前「売れるかな〜、売れると良いな」と毎日考えていたが、ある朝社長から「注文が入りました」との連絡が入った。私のブログを見てくださったのか、はたまた全くそうではなかったのかは分からないが、自分が記事にした商品が選ばれるというのは理屈抜きで嬉しい。
また、ご注文の際に「ペンは一緒に買われますか?」と確認し、希望される方には白いペンも一緒に発送されているようだ。少人数で丁寧な仕事をされている会社さんらしいなと感じた。
ご注文いただいた皆様、本当にありがとうございます。心から感謝しております。
商品特性を知ってから使い道を考えたい
私も常に持ち歩いて使っているが、ブラック・メモパッドには独特の書き味がある。それは、一般のメモ帳と違って白ペンで書いた字が若干かすれるという点だ。それが紙の性質なのかペンの性質なのかは判別しにくいところだが、白ペンのインクが他の色よりも濃い目なのでその影響かなと思う。
そういう意味では、通常のメモ帳のように「細かい字をびっしりと書く」という用途には向いていない。そう言った使い方をすると、文字のかすれが大きくなって若干ストレスに感じるかもしれない。
逆に、大きな文字を書いたりイラストを描いたりするのには向いているだろう。用途としては、少人数でのミーティングの際にホワイトボード代わりに使うのも良い。
考えてみれば弱視の方が見やすいように、書いた文字が分かりやすいようにというのが特徴のメモパッドなので、大きな字を書くことが一番の目的だ。そういったこのメモパッドの特性を理解したうえで、ご注文していただけるとありがたいなと思うし、どんな使いかができるのかを考えるのも楽しいと思う。
(商品のお問い合わせ、ご注文は直接下記まで)
■まるみ名刺プリントセンター
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