万年筆のインクは、今までずっとカートリッジで使ってきた。仕事場でメモ程度にしか使ってこなかったこともあり、わざわざインクボトルから入れ替えるのも面倒だなと思っていたからだ。ところが、徐々に万年筆も手元に増えてきて、書くこと自体に楽しみを覚えるようになってきた。そうなると今度はインキにもこだわってみたくなってきたが、これを俗に「インキ沼にはまる」というのだろうか。
好みの色がミニボトルで選べるセット
初めて買うインキボトルはどれが良いの迷ったが、パイロットから自分で色を選べる小瓶タイプが販売されているのを思い出し早々に購入してみた。24色の中から3本を選んでセットにできるが、散々迷った挙句に選んだのは最初からセットになっている「ミニ iroshizuku 3色セットA」という商品だ。
自分で選びきれないのは情けない話だが、インキボトル初心者としてはまずはセットでお試しというのも良いだろう。
「月夜」「竹炭」「紺碧」と名付けられた3色は一本が15mlという少量で、可愛い小瓶に入っている。通常のボトルが50mlなので、コストパフォーマンスとしては劣るだろうが、いろいろな種類を試すことができるというのは便利だ。
何よりも色のネーミングが優雅なので、いろいろと試したくなってしまう。ブルーとか黒といった色そのものを表す言葉ではなく、情景が目の前に浮かんでくるようなネーミングが良い。個人的には「月夜」というネーミングに強く惹かれたが、商品名で購入したくなるというのはすごいことだなと感じた。
○全24色名
紫陽花、天色、朝顔、竹林、冬柿、冬将軍、稲穂、孔雀、秋桜、紺碧、霧雨、紅葉、紫式部、深緑、深海、松露、竹炭、土筆、露草、躑躅、月夜、山葡萄、山栗、夕焼け
パイロット 万年筆インキ ミニ iroshizuku 3色セットA
- 出版社/メーカー: パイロットコーポレーション
- メディア: オフィス用品
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コンバーターを使って補充してみる
インキボトルから吸い上げるためには、専用のコンバーターを使用する。万年筆の種類によってコンバーターが異なるので、購入するときにはきちんと確認する必要がある。
取り付けは簡単で、インキカートリッッジと同じように差し込むだけ。この時に後ろについているノブを回して、コンバーター内のピストンを押し下げておく。
コンバーターを取り付けてスクリューを下げたら、ペン先を首の部分までインキに浸し、コンバーターのノブを逆向きに回してインキを吸い上げる。あっという間にコンバーター内にインキが満たされるのが楽しいし、自分で書く準備をするという作業がワクワクする。
インキによって文字の表情が変わる
補充したてのインキを使って、手紙の一文を試し書きしてみた。写真だと分かりにくいが、「月夜」のインキは筆圧によって微妙な濃淡がつき、表情豊かな文字になるような気がする。
今まではインキにあまり気を配っていなかったが、これからはいろいろなインキを試して楽しみたいと思う。