付箋紙が世の中に登場したのは1980年。3M社が開発途中にたまたま作られた弱粘着の接着剤を活用し、ポストイットとして全米で発売したのが始まりだ。その後徐々に世界中で発売されるようになり、今では家庭でも職場でも活用される文房具になった。
最近では、ビジネス用に特化したものやファンシーなものなど、デザイン的にも進化し続けている付箋紙だが、さらに進化した「糊なしでどこにでも貼り付けられる付箋」が話題になっている。
糊がないのに張り付く付箋紙
ガラスでも壁でも木材でも革製品でも、どこにでも貼ることができて貼り跡が残らないのが「ウインテック 魔法のふせん magnetic NOTES」という商品。日本文具大賞2015の機能部門優秀賞を受賞した商品であり、数々のメディアでも紹介されているのでご存知の方も多いだろう。
一番の特徴は糊ではなく静電気で付着するという点。特殊なフィルムを使用したこの商品は、静電気の力でほとんどの素材に数週間から数カ月以上付着するという。また、表面の書き心地は非常にスムーズで、ボールペンで書くと非常に滑らかな書き心地を感じることができる。
さらに、裏面はホワイトボードのような素材が使われているので、ホワイトボード用マーカーを使って書けば何回も書いたり消したりすることができる。両面が使える付箋紙というのは驚きだ。
試しに妻へのメッセージを書いて、キッチンの壁にぺたんと貼ってみた。平日は出張が入らない限り会社にコーヒーを持参しているが、週初めに持っていきたい日を妻に伝えるようにしている。いつもは口頭で伝えているが、下手なイラストであってもこうやってお願いすることで少しは気分が和むかもしれない。
書き心地は非常に良くて、ボールペンがするっと表面を滑っていく感覚を覚える。フィルム付箋ならではの書き心地という感じだ。貼る時にも壁にスッと吸いつけられるような感覚で、貼ってからも簡単に位置を変えることができるもの面白い。
使ってみて個人的に最大の利点だなと思ったのは、貼った付箋が簡単に移動できること。打ち合わせやブレストの時に、アイデアや意見を集約・分類するのにとても便利だ。付箋紙のようにヒラヒラしないし、全面粘着の付箋紙のように貼り直すのに手間がかかることもない。
価格は他の付箋紙よりも若干高めだが、サイズや色も何種類か用意されているので、活用方法によっては値段以上に価値のある道具になるのではないだろうか。
便利に使える付箋あれこれ
文具店に行くと、これでもかというほど様々な付箋が棚を飾っている。ファンシーなものから実用的なものまで様々だが、最近お気に入りの付箋をいくつかご紹介したい。
ヤマト糊のヤマトが発売しているのは、ロールテープになった付箋。好きな長さだけ使ったり、半透明な点を利用して資料の強調する部分に貼ったりすることができて便利だ。
付箋紙の本家本元である3M社が発売しているのが、手帳とともに持ち歩ける付箋。無地のものや罫線が入ったものなど種類も豊富なので、打ち合わせ用の手帳と一緒に持ち歩くのに便利だ。
最近ではどこの文具店にも置いてあるのが、普通のメモを付箋紙に変える糊。ちょっとした手間はかかるが、渡されたメモを無くさないためにも重宝する商品だ。
どんな道具も使い方一つ
今回ご紹介した付箋はどれも数百円で買えるものだが、手元にあるとないとでは効率が大きく変わる文房具だ。種類も多くて競争はかなり厳しそうだが、それだけにちょっとした使いやすい工夫が凝らされるようになってきて、電話メモなど最初から用途の合わせて印刷されている商品も多い。
個人的には無地の付箋紙をあれこれ工夫して使うのが好きだし、道具は工夫して使ってこその道具だと思う。上手に使いこなせているかどうか自信はないが、あれやこれやと工夫すること自体が楽しいなと感じる。