読書も好きで文房具も好き、文房具の含めて雑貨を見るのも好き。そういう方は多いのではないだろうか。私も同様で、大型書店で文房具類も充実している店舗があると、一日居ても飽きない。しかし、そういったお店というのは少なくて、結局は書店を巡って文具店をめぐってというように、何箇所かを回らなければならないことになる。
ところが、先日出張ででかけた札幌市内で、文房具や雑貨と書籍とが渾然一体としているお店に出会った。初めて入ったお店だったが、本好き、文房具好きにはたまらないお店だ。
札幌駅地下街の「フーチュラ」
思わず商品を見入ってしまったのが、札幌駅の地下街にある「Futura(フーチュラ)」というお店。札幌駅の地下街は広大で迷ってしまいそうだが、その中の一店舗として入っているお店だ。
経営母体はイオングループの未来屋書店という会社で、書店を中心として文具・古本・ホビーなどのお店を全国展開している。今回ご紹介する店舗は昨年9月にオープンした文具と雑貨のセレクトショップで、未来屋書店が都市型の新たな出店方式として前面に打ち出しているお店だ。
■「Futura パセオ店」の特徴
Futura パセオ店は札幌駅直結という立地と、「Work Life style shop」という目指す方向から、戦略ターゲットを20代後半から30代前半の「働く女性」に設定。戦略ターゲットのワークライフシーンを4つ設定し、それぞれのシーンを彩る文具・雑貨を品揃え。イメージをより深く伝える装置としての「書籍」もミックスした展開で、お客さまに提案していきます。
http://www.excite.co.jp/News/release/20150915/Dreamnews_0000119386.html
店内は「20代後半から30代前半の『働く女性』にターゲットを絞った」というだけあって、日常的に使える雑貨やちょっとおしゃれな文房具などが、白木のテーブルや棚に綺麗にディスプレイされている。
また、他の文具店ではあまり見かけない珍しい文房具類もたくさん並んでいて、それほど広くはない店内ながら「おもちゃ箱の中を見ているような」気になる店舗だ。ターゲットは20代後半から30代前半の「働く女性」ということだが、50代の働くおじさんが見ていても楽しい。
さらに特徴的なのは、ディスプレイされている文房具や雑貨に合わせた書籍が並んでいることだ。アウトドア系のコーナーにはアウトドア関連の本が、筆記用具のコーナーにはビジネス関連の本が並んでいるなどの工夫が凝らされている。
書店ビジネスを展開している会社ならではのアイデアだが、これが違和感なく並べられているというところが素晴らしい。書籍を見たついでに文房具を買ったり、文房具を買ったついでに書籍を買ったりするということもあるだろう。実に考えられた「都市型店舗だなと感じた。
こういうお店が会社や自宅の近くに欲しい。素直にそう感じた。
■Futuraパセオ
住所:北海道札幌市北区北6条西2丁目
営業時間:10:00~21:00
まるで地下都市のような地下街
札幌といえば広大な地下街が広がっていることでも有名だ。JR札幌駅からすすきの方面に伸びる地下街は、オーロラタウンとポーラタウンと名付けられたさっぽろ地下街として多くの店舗が並んでいる。どちらも1971年(昭和46年)11月に開業と、40年以上前に作られたというのだからすごい話だ。
また、2011年(平成23年)3月には「チ・カ・ホ」と呼ばれる札幌駅前通地下歩行空間が完成し、南北約1.8km・東西約1.2kmという広大な広さを誇っている。
実際にJR札幌駅を降りてすすきの方面に歩いて行くと、途中に地下鉄駅の改札があったり店舗が並んでいたり出店があったりと、歩いていても飽きることがない。地上の道路と違い信号で待たされることもないので、目的地まで快適に歩いていけるというのも大きなメリットだ。
さらに、どんなに吹雪の日でも薄着で歩くことができるというのも、雪国ではとても便利な空間だと思う。吹雪などになると買い物に出るのがたいへんだが、この地下空間があるおかげで買い物客も途絶えることがなく経済的に大きく貢献していることがわかる。
札幌市の調査によると、地下歩行空間が完成してからは札幌駅前通の地上・地下を合わせた歩行者数が2倍になったようなので、単に地下を通る人が多くなったということではなく、外出する人自体が増えたということがわかる。
地下都市のような雰囲気のある札幌駅前通地下歩行空間は、札幌を訪れたら一度は歩いてみたい場所だ。