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気分爽快!「下町ボブスレー」のソリがジャマイカ代表に正式採用、ボブスレー用ソリを無償提供

 今週の月曜日は、東京でこの冬初めての積雪となった。交通網が混乱するのが首都圏の常だが、この時期に雪が降るというのは当たり前といえば当たり前だろう。それでも週明けの月曜日に朝から雪で交通網が混乱したのには閉口したが、そんな気分を吹き飛ばしてくれるような、雪にまつわる素敵なニュースが流れた。

下町のプロジェクトチームがジャマイカにソリを無償提供

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https://www.facebook.com/shitamachibobsleigh/からの参照

 ニュースとして流れてきたのは、東京都大田区のプロジェクト「下町ボブスレー」のソリがジャマイカ代表に正式採用されたという話題。ジャマイカのボブスレー連盟と協力して、2018年平昌五輪に向けてボブスレー用のソリを開発をしようという取り組みだ。さらに、資金難で困っているジャマイカ代表のために、完成したソリは無償で提供されるようだ。

 「下町ボブスレー」は東京大田区の中小町工場が中心となって発足したプロジェクトで、オリンピック競技であるボブスレー用の国産マシンを開発しようというモノづくりプロジェクトだ。池井戸潤さんの書かれた「下町ロケット」と同じく、下町の町工場が持っている技術を世界に知らしめるためのプロジェクトとも言えるだろう。

 大田ブランド登録企業である株式会社昭和製作所、株式会社上島熱処理工業所、株式会社マテリアルを中心とした大田区の町工場とその趣意に賛同したレーシングカー向けにCFRP製のボディを設計・開発している㈱童夢カーボンマジックや空力解析をする株式会社ソフトウエアクレイドル、東京大学がランナーの設計・開発をし共同でボブスレー2人乗りソリを開発を推進しています。
http://bobsleigh.jp/

  プロジェクトが発足したのは2011年の秋。大田区産業振興協会の職員さん二人が、A4用紙2枚のボブスレーの寸法図を持って現れたのがスタートだ。そこから部品を集めたり構造を確認したりという作業が始まり、翌2012年の日本選手権では見事優勝を飾るソリを完成させた。

 

 その後、ボブスレー日本代表との協力による改良が進められ、プロジェクトは合同会社となり活動がさらに加速する。ところが、国内外でのテストを経て改良を重ねたソリも、最終的に日本代表の採用には至らず2回にわたって不採用通知が届いてしまう。

 それでもあきらめることなく他の国の代表チームへの提供を模索し、最終的にジャマイカ代表とタッグを組んでオリンピックを目指すことになった。さらに、ジャマイカのナショナルチームは資金不足が課題だということもあり、共同で開発するソリは全て無償で提供されることになった。

 ジャマイカのボブスレーチームといえば、1988年に開催されたカルガリー冬季オリンピックに出場し人気となり、映画「クール・ランニング 」が生まれる元になったチームだ。

 雪の降らない南国のジャマイカが、日本の下町で作られたソリを使ってオリンピックに出る。 それだけでも夢のある話だと思うし、オリンピックでメダルを取ることができればさらに嬉しい話題になるだろうなと思う。

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クール・ランニング [DVD]

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 モノづくりは人づくり

 今回のニュースを知って、真っ先に「モノづくりには熱い気持ちと強い想いが必要なんだな」と感じた。材料費も人件費もかかるソリ作りにもかかわらず、損得抜きに「オリンピックで使われるソリを作ろう」という情熱が伝わってきて心地良い。

 もちろん、製作にあたってはスポンサーからの援助や一般からの寄付などもあるし、ニュースになれば広告効果もあるだろう。それによって広告収入も得ることができるので、一概に損得抜きで行っているとは言えないかもしれない。

 それでもまずは「世界に通用するソリを作りたい」という技術者・職人としてのピュアな想いが強く感じ取れるし、だからこそ応援する企業や人が集まってくるのだと思う。また、ソリ製作にまつわる「物語」というか「想い」というものが、それを知った人々の心を動かすのだろうとも思う。

 モノづくりは単なる「商品作り」ではなく、それを使う人や知った人の心を「感動」させることも考えるべきだと思うし、感動を通じて製作する人も応援する人も見返りを求めないピュアな情熱を持てるのではないだろうか。

 「何かに夢中になれる」というのは、今の世の中ではとても貴重なことだし大切なことだなということを、今回のニュースで心にズシンと感じた。