TEDのプレゼンテーションを見ていると心が震える。プレゼンテーションの達人たちが繰り広げる14分間のスピーチは、話の構成も素晴らしくて思わず見入ってしまうという人は多いだろう。自分ではどう転んでもあのようなプレゼンは行うことができないが、それでも少しは効果的なプレゼンを行いたいなと思うのは贅沢なことではないだろう。
効果的なプレゼンを行うためには、話の構成を考えたり効果的な資料を作ったりすることがまずは大切だが、せめてスライドの切り替えをタイミングよく行えるよう使っているアイテムがある。
指輪のようなプレゼンツール
事務機器のコクヨが発売しているのが、指輪のように指にはめて使う「フィンガープレゼンター黒曜石」。プレゼンテーション中の操作を考慮して、PCスライドのページ送り機能に特化したワイヤレスのプレゼンツールだ。
黒曜石の操作面を手の平側に向けて指に装着し、親指でボタンを押すことでスライドを送ったり戻したりすることができる。ワイヤレスなので、話を聞いている人は自動的にスライドがめくられていくような感覚を覚える。
また、「BRAK OUT(ブラックアウト)」ボタンを押すとスライド画面が暗くるので、プレゼンを開始する際にひときわ効果的に開始することができるようになっている。
セットの中にはポインターに装着するための小リングも同梱されているので、ポインターで指し示しながらページめくりを行うこともできる。ちょっとしたことだが、とても便利な機能だ。私も2年前から使っているが、WindowsPCでもMacでも問題なく使うことができる。キーを押した時の反応も早くて、タイミング良くスライドの切り替えを行えるのがありがたい。
資料の内容はともかくとして、フリーハンドで身振りを入れながら話をするのには最適で、それだけでもTEDのプレゼンテーターになったような気分になる。パソコンの前に張り付いてページをめくったり、いちいちパソコンに戻ってクリックするよりははるかにスマートなプレゼンができるだろう。
資料を片手に手の平の中にあるボタンを押すことで、自分の話のタイミングで効果的にスライドを進めることが出来るこのアイテム。プレゼンテーションを行う機会が多い方にはオススメだし、効果的なプレゼンを行いたい方には特にオススメの商品だ。
ボディランゲージと手話の関連性
話は大きく飛んでしまうが、プレゼンを行うときに効果的なボディランゲージを入れるというのもまた大切なことだ。上手なプレゼンを行う方は、例外なく効果的なボディランゲージを行っているし、それが聞き手をプレゼンに引き込む力のひとつにもなっている。
逆にただ単に手を動かしたり体を動かしたり歩き回ったりするだけでは、聞き手の注意が散漫になってしまい逆効果になってしまうこともある。日本人はボディランゲージが下手だと言われることも多いが、意識しすぎてしまうことで無駄な動きが入ってしまうのだろう。
ところが、手話を勉強している人や通訳士の中には、ちょうど良い感じのボディランゲージを取り入れる人が多い。意識して手の動きや体の動きを使っているというわけではなく、自然と手話の一部が出てしまうことで効果的なボディランゲージになっているという感じだ。
手話は「視覚言語」とも呼ばれているように、顔の表情や視線、体の動きや向きなども含めて言語としての機能を持っているためだろう。
たとえば、「考えた」と話すときに自然に人差し指で自分の頭の横をトントンと叩いたり、「理解した」と話すときに手の平で胸をトントンと叩いたりというように、手話の表現はそのままボディランゲージとして効果的に相手に伝わることが多い。
コミュニケーション手段として「相手に伝える」ということが、手話表現もプレゼンでの表現も共通しているのだと思う。
効果的なプレゼンは一にも二にも練習あるのみ
上手なプレゼンを行う人は、例外なく地道な練習を行っている。かの有名なスティーブン・ジョブスも、声を出しながら何回もスピーチの練習をしていたというのは有名な話だ。
練習を行うことでプレゼン全体の内容やイメージを体の中に取り入れることができて、心の底から自分の言葉で話をすることができるようになるからだろう。原稿を読んでいるのが見え見えのスピーチよりも、自分の言葉として発せられるスピーチの方が聞き手の心をとらえるのは言うまでもない。
プレゼンでもスピーチでも入念な準備と練習が不可欠であり、効果的なプレゼンに近道やコツなどはないのだろうと思う。