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チャンレジすることで活路を拓いた文房具「Filet(フィレット)」

  文房具を作るというと大きなメーカーを思い浮かべがちだが、チャレンジすることで活路を拓いている会社がある。単なるクリアファイルをファイリングしやすくした工夫。日本には珍しい綴じ方を施したクリアファイルが新しい。

■穴をあけずに綺麗にファイリング

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 クリアファイルに入れた書類を、そのままファイルに綴じることのできる「Filet(ファイレット)」。板橋区にある製本会社で作られている商品だ。

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 見開きでA3番の資料も折らずに入れられるクリアライフに、アイレット綴じという特殊な綴じ方が施されている。アイレット綴じはヨーロッパでは一般的な綴じ方のようだが、中とじのホチキス部分が外側に丸く飛び出した製法で、そのまま一般的なバインダーなどにファイルできるようになっている。

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 補強のためにアイレット綴じ部分に厚紙が入れてあるが、この部分には印刷をすることもできるので企業のノベルティとしても利用することができる。

 「第12回文具祭り」にも出展したというこの商品は、電気製品の取扱説明書などを入れても便利に使える。また、資料を入れたFiketをバインダーから外してカバンに入れて持ち歩き、仕事から戻ったらそのままバインダーに仕舞うということもできる。いろいろな使い方のできるFiletは、工夫一つで活用の幅が広がりそうだ。

 連休中の本日5月2日(土)と3日(日)には、東急ハンズ新宿店でデモ販売も行われるようなので、ご興味のある方は実物を手に取ってみてはいかがだろうか。

■チャレンジしている町工場

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 「Filet(フィレット)」の製作・販売を行っているのは、東京都板橋区にある株式会社ウキマという小さな会社。昭和42年創業のこの会社は、会社というよりも町工場という名前の方が似合う製本会社だ。

 社長の樋下田さんとはご縁があって何回かお会いしているが、アイレット綴じを使った「首から下げられるTシャツ型メモ」を作られたり、スマホ型のリーフレットを作られたりとアイデア満点の仕事をされている。

 町工場という名前が似合うのは規模が小さいからというのではなく、大きな会社にはできないモノづくりを行っている会社だからだ。実際にこの会社を訪問したことがあるが、川沿いに立てられた社屋からは製本機の音が響いてきて活気にあふれていた。

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 また、以前ご紹介した板橋区の小茂根福祉園が発売しているカレンダーも手がけられていて、福祉分野での製本にもいろいろと取り組んでいらっしゃる会社でもある。小さなオーダーにもきめ細かく対応してくださるようで、そこにもモノづくりの原点を見るような気がする。

 このように、「小ロットのオーダーや特殊なオーダーに的確に迅速に応える」というこの会社は、大きな会社や工場にはできないきめ細やかさがあり、モノづくりの職人集団が運営しているような雰囲気があるのも特徴の一つだ。

 印刷会社と連携して最終工程を行っている会社だが、自らも販売会や展示会に出展するなど精力的に営業活動も行われている。樋下田社長の紳士な物腰と雰囲気からは想像で来ないアクティブさだが、こういう会社が伸びていくような社会であって欲しいなと思う。

◇株式会社ウキマ

http://www.ukm.co.jp/index.html