気分はポレポレ よろず情報ブログ

大好きな文房具や書籍、日常のことなどを随時更新中です!

「和綴じ本」を作りにいってモノづくりの素晴らしさを実感した

今週のお題特別編「この春に始めたいこと・始めたこと」
〈春のブログキャンペーン 第2週〉

 何かを作るということが昔から大好きだ。陶芸をしている時にも感じることだが、集中していると頭の中が空っぽになって爽快感があるからかもしれない。今回は縁あって「和綴じ本」を作りに行ってきたが、これもまたなかなか奥が深くて楽しい作業だった。

■板橋の工房で和綴じ本作り

f:id:polepole103:20150302150554j:plain

 先日出向いたのは、板橋区にある「まるみず組」という工房。池袋から各駅停車で10分弱、東武東上線「中板橋駅」で下車し、商店街をトコトコと10分弱歩いたところにある工房だ。

 ここでは和綴じのレッスンなどを行っているが、今回ご縁があって簡単な和綴じの方法を教えていただいた。

f:id:polepole103:20150414154759j:plain

 和本の本文紙として使用したのは習字用の半紙。これを一枚一枚ていねいに半分に折っていく。簡単だと思っていたら途中がしわになったりしっかり半分に折れなかったりと、なかなかどうして難しい。

f:id:polepole103:20150414160219j:plain

 こうやって重ねた部分に穴をあけ、その穴を綴り用の糸を通した針で一針ずつ綴じていく。最初は写真を撮りながら作っていこうと考えていたが、手順が多くて手早く行わなければならず、結局数枚しか写真を撮ることができなかった。

 集中力が必要で、丁寧さと手際の良さが求められる作業なんだなということに気づいた。

f:id:polepole103:20150414171857j:plain

 講師に教えてもらいながら悪戦苦闘すること1時間半。ようやく和綴じ本を完成させることができた。表紙の柄を選んだり糸の色を選んだりと、色彩感覚やセンスも求められる作業だ。

 これをテキパキと作るのは職人技。半紙や和紙や柄物や糸など、いろいろな材料を使って作られた和綴じ本は、まさに「モノづくり」と言える素敵な商品だなと感じた。 

■まるみず組と和綴じ

f:id:polepole103:20150414151038j:plain

 「まるみず組」では手製本の教室を開催しており、代表の井上夏生さんをはじめとして数人の講師による指導を受けることができる。コースは単発的な体験コースから本格的な基礎コース・応用コースなどがあり、体験的に学ぶことも本格的な技術を習得するために学ぶこともできる。(レッスン・スクール - まるみず組

 店内には製本のための道具や材料が所狭しと並べられていて、まさに「工房」という名前がピッタリの場所だ。ここでは自分だけの本を作る教室が開催されているが、私が今回レッスンを受けた「和綴じ」のレッスンも受けることができる。

 職人的な作業をじっくりと体験できるというのはなかなか得られない機会なので、興味がある方はスケジュールを確認してほしい。

■手製本工房「まるみず組」

住所:東京都板橋区南常盤台1-4-9 サンライズマンション1F
営業時間:午前11時~午後8時
定休日:毎週火・水
アクセス:東武東上線「中板橋駅」南口から徒歩8分

■和綴じの可能性

f:id:polepole103:20150414151031j:plain

 ノートやメモをホチキスで止めているといつかは錆びてしまう。テープを貼っていると変色してボロボロになってしまう。和綴じの技術というのは「保存」するための技術でもあるということを今回学んだ。

 和綴じは大量生産が行えないだけに価格も高くなってしまう。当たり前のことだが、その当たり前のことをどのようにして購入者側に伝えるかが、和綴じ商品をビジネス的に成り立たせることのカギだと思う。

 糸で綴る部分は単純作業なので、福祉作業所等の授産所作業にも向いているかもしれない。実際、リクルート社では昨年「東北の和綴じ展」を開催し、東日本大震災で被害を受けた授産所と連携した展示販売をおこない好評を得た。

 また、和綴じ本そのものを販売するのではなく、今回のように「作り方を教える」というビジネスモデルもあるだろうし、製作キットを販売するという方法もあるだろう。「一点物」ということが価値につながるようなビジネスモデルが確立できれば、その恩恵を受けられる人は数多くいるのではないだろうか。

 和綴じは昔からの製本方法だが、モノづくりという観点から見ても価値のある技術だと思う。心を空っぽにして取り組めるところがまた良い。

polepole103-photo.hatenablog.com