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全国から注文が殺到する田舎町の書店「いわた書店」/北海道砂川市

 本好き、書店好きなので家の近くに本屋さんがあるというのは助かる。実は現在住んでいる場所は徒歩10分圏内に書店があるため、引っ越す時のひとつのプラス要素になったほどだ。しかし、その書店も来月中旬には閉店してしまうらしい。大型書店に押されて町の書店は毎年減っていく一方だが、そんななかで全国から注文が殺到する田舎町の書店があった。

■全国から注文が殺到する書店

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 全国から注文が殺到するというのは、北海道砂川市にある「いわた書店」という小さな書店。人口1万8千人の町にある小さな書店ながら、全国から一人一万円の注文が650件以上も寄せられているという。(現在は受付を停止中)

 注文が殺到する人気のサービスは「一万円選書」というもの。申込者から最近読んだ本や職業などの簡単なアンケートをとり、それを元に書店の社長岩田徹さんがオススメの本を選んで送ってくれるというもの。

  アンケートに直結した本を送るわけではなく、逆に好みに沿った本は選ばない。「こういう人なら必ず面白いと思うであろう本」を選んで届けてくれるというところに、全国から人気が集まっているようだ。 

 いわた書店のホームページやFacebookを見ると、すでに今年の分は注文を閉め切っているという人気ぶり。社長が一人で選ぶので650件を超える注文に応えるためには、今年一杯は新たな注文を受けないということらしい。「一万円選書」の人気ぶりがうかがえる。

 このサービスを始めたのは大型書店に対抗するためだとか。子どもの頃から本好きだった岩田社長は、仲間と「一万円選書」を始めることによって活路を見出すという試みを始めたそうだ。

時が移りバブルがはじけた後、空前の出店ラッシュが起こりました。書店仲間の店が次々と無くなり、砂川にも新しい店が出来ては撤退しました。本好きな新聞販売所と共同ではじめた宅配や1万円選書も、大規模競合店への対抗策の一つです。1万円選書自体は注文が多くはなく、経営の助けには至りません。ただ選書の依頼は「面白い本はどれ?」というお客様からの叱咤(しった)であり、「本屋の原点に立ち返れ」という激励であるのです。

 上記は「朝日新聞デジタル」からの引用だが、本に対する、書店に対する愛情の深さが伺える内容だった。小さな町の小さな書店。そのピュアな姿勢に対しても、全国からのエールとして「一万円選書」への注文が殺到しているような気もする。

 札幌に仕事で出かける機会は多いが、プライベートで行くことがあればぜひいわた書店に立ち寄ってみたいなと思わせてくれるニュースだった。

□「いわた書店」

 ■町の書店だからこそできるサービス

 大型書店やチェーン店は品揃えが豊富で、書籍以外にも文房具類が充実していたりと訪れるだけでも楽しい。本好きとしては、例えば東京都稲城市にできたコーチャンフォーなどの大型書店を訪れるのはとても楽しいと思う。


本好き、文房具好きにはたまらない!「コーチャンフォー若葉台店」に行ってきた - おやこでポレポレ

 それでも、昔からその町にある小さな書店にも独特の魅力があると思う。私も子どもの頃に実家の近く似合った書店には足しげく通っていたが、お店独自の趣向を凝らした特集コーナーや絵本コーナーなどは見ているだけも楽しかった。また、町の書店には社交場としての一面もあって、本好きのお年寄りから若者まで集うというお店もあった。

  品数や種類では大型書店に対抗できるはずもなく、結果として町の書店は徐々に廃業を余儀なくされている状況だ。しかし、ネット通販で読みたい本が翌日には配送される時代だけに、今回ご紹介した「一万円選書」のような「想い」がこもったサービスというものに逆に惹かれるのかもしれない。

 本好きの方に選んでもらった自分宛の選書は、例えばだれかに洋服をコーディネイトしてもらうのと同じで、自分では気づいていない自分の好みというものを教えてくれるのかもしれない。

 町の小さな書店に大型店にはできないサービス、小さな書店だからこそできるサービスというものがあるんだなと感じた。それを見つけて実行に移すというのはかなり難しいことだろうが、これからもこういったサービスが各地で行われることを願いたい。