骨董市に出かけていろいろな品物を見るのが好きだ。特にこれといった探し物があるわけではなく、骨董品に詳しいわけではない。昔の人が使っていたであろう品物を見ているだけで、懐かしかったり珍しかったりするのが楽しい。
先日は月に一回お寺の境内で開催されている骨董市に行ってきた。秋晴れの中を散策気分でお店を見て回るのも楽しいなと思う。
高幡不動尊の「ござれ市」
東京都日野市にある高幡不動尊。関東三大不動尊のひとつとしてあげられており、参拝する人も多い不動尊だ。
その草創は古文書によれば大宝年間(701)以前とも或いは奈良時代行基菩薩の開基とも伝えられるが、今を去る1100年前、平安時代初期に慈覚大師円仁が、清和天皇の勅願によって当地を東関鎮護の霊場と定めて山中に不動堂を建立し、不動明王をご安置したのに始まる。
その境内を使って毎月第3日曜日に行われているのが「ござれ市」という催し物。骨董品やアンティーク物が並ぶ市だ。境内のいたるところにお店が並んでいて、全部で100店舗ほど出店しているらしい。
陶器類やビン類、戦時中に使われていた道具や江戸時代のキセルなど、ありとあらゆる年代の道具が並んでいて面白い。このごちゃごちゃとした感じが骨董市の特徴だが、その中から面白い者が見つかるというのも骨董市の楽しさだと思う。
骨董品とガラクタとは紙一重のような部分もあるが、やはり数十年、数百年以上前に使われていた品物には風格というかなにかがあると思う。あると思って見たり触ったりするから楽しいのであって、そういう意味では濃っと品好きの方というのはロマンチストなのかもしれない。
骨董市の歩き方
骨董市を見て歩いて楽しむには、ただ漫然と見て歩いたのでは面白くない。以前、骨董市の達人的な方と一緒に大和市の骨董市に行ったことがあるが、とにかく「自分が欲しいもの」を絞って見て回っていた。
その方は「昔の刃物」が好きで、包丁からナイフからハサミまで色々な刃物を探しながら見て回り、おやっと思うものがあれば店主にいろいろと聞いたり値引き交渉をしたりと活発にコミュニケーションをとっていた。
ただ漫然と見るのではなく「好きなものを探す」ということは大切だし、お店の人との「コミュニケーションを楽しむ」というのも大切な要素なんだなと感じた。
私の場合には「火打石と火打ち鎌(がね)」が大好きで、骨董市に行くとまずは火打石を探してしまう。なぜ火打石が好きかという話は機会があれば書かせていただくが、とにかく探す。しかし、骨董市では火打石はまず見つからないのが通例で、一度だけ昭和初期の火打ち鎌に出会って買ったことがあるが、こういうことは珍しい。珍しからこそ宝物探し気分で出かけるのかもしれない。
この日目に留まったのがこのメダル。警視庁のマークが入ったメダルで、裏面には警視庁の建物が刻印されていてずっしりと重い。
色々調べてみると警視総監賞のメダルのようだが、こういったものが何気なく置かれているのも骨董市を散策する面白さなのかと思う。(警視庁のメダルは骨董品ではないとは思うが)
■高幡不動尊「ござれ市」
会場 高幡不動尊内
日程 毎月第三日曜日(雨天決行)
時間 午前7時〜午後4時
交通 京王線高幡不動駅から徒歩2分
出店 約100店
http://www.kanagawa-antique.com/html/takahata.html