東京・恵比寿にある「東京都写真美術館」。恵比寿ガーデンプレイスの中にある写真や映像の美術館だが、毎年恒例の写真展が今年も開催されている。
■時代を知る写真展
今週末の8月3日(日)まで開催しているのが「世界報道写真展2014」。世界132の国と地域から参加した写真か5,754人の応募作品の中から、9つの部門を含めた受賞作品が展示されている。
今年は9つの部門で53人が受賞しました。大賞は、米国のジョン・スタンマイヤー氏がジブチ共和国で出稼ぎ労働者の姿を撮影した作品です。アフリカからヨーロッパや中東に向かう労働者の通過地点であるジブチで、近隣のソマリアからの安価で微弱な携帯電話の電波を頼りに、祖国に残った家族となんとか連絡を取ろうとする彼らの切実な思いが見て取れます。
「報道写真展」という名前が示すとおり、世界中で撮られた報道に関する写真展だけに「現実」の迫力が見ていてひしひしと伝わってくる。中には傷ましくて目を背けたくなる写真もあるが、それでも世界ではこういうことがあるんだということを気付かせてくれる重要な写真ばかりだ。
世界報道写真展は全国で開催される巡回展なので、東京以外の地域にお住まいの方もお時間があればぜひ「世界の真実」を直接見ていただきたい。
■世界報道写真展2014(東京会場)
会期: 2014年6月7日 ( 土 ) ~ 8月3日 ( 日 )
料金:一般 800円/学生 600円/中高生・65歳以上 400円
場所:東京都写真美術館
「世界報道写真展2014」公式サイト
http://www.asahi.com/event/wpph/
http://www.asahi.com/event/wpph/outline.html
■写真だからこそ伝えられること
毎年開催される世界報道写真展を観るたびに、写真だからこそ伝えられることがあるんだなと感じる。
私自身、下手の横好きながら写真を撮るのが好きで街歩きをしながら撮ることが多いが、世界報道写真展を観て「これを伝えよう!」という意思があって撮っているわけではないことを気付かせてもらった。
記録としての写真、芸術としての写真、自己表現としての写真など、写真にはいろいろな楽しみ方や利用方法があるが、ただ漫然と撮るのではなく明確に「伝えたい」と思って撮ることも大切だなと思う。
私も景色やスナップなどただ漫然と撮るのではなく、「伝えたい」という気持ちでシャッターを押してみたい。