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真剣に考えさせられるコミック「聲の形(こえのかたち)」

 聴覚障がいをテーマとした物語はテレビや小説で時々見かけるが、コミックでもなかなか深い内容のものがある。今日ご紹介するコミックは内容に賛否両論があるようだが、個人的には良い内容だと感じた。

■聴こえないということ

聲の形(3) (少年マガジンコミックス)

 今日ご紹介するのは「聲の形」というコミック。現在1巻から3巻まで発売されているが、1巻目を読んで考えさせられるものが多く、翌日には残りの2巻と3巻を買って一気読みしてしまった。

 内容的には、聴覚障がいのある少女とガキ大将だった少年の、小学校の頃からの物語。聴覚障がいに関することと“いじめ”に関することが、物語のテーマとなっている。

 そのふたつのテーマを縦軸として、主人公の少年と少女の淡い恋などが横軸として織り込まれている。全体的な感想としては読んでよかったと思える内容だし、手話を勉強中の身としては考えせられることがたくさん盛り込まれていた。

 しかし、コミックの1巻と2巻は“いじめ”や”障がい者差別”に関する事柄が非常に多く盛り込まれていて、読んでいて少し辛くなってしまうような感覚も覚えた。

 そういうこともあって、これから読もうかなと思う方には、ぜひ1巻から3巻までを一気に読んで欲しいと思う。それは、3巻目になってようやく救いのある内容が登場してくるからであり、そこから先の展開を楽しみにできる雰囲気になってくるからだ。

 私は子どもの頃には「筋金入りの漫画番長」と呼べるほどコミック好きだった。しかし、それがいつしか小説のほうに興味が移り、今では自他ともに認める「読書好きの本屋好き」になった。

 それでも、こういった社会派的なコミックを読むとグイグイと引き込まれてしまい、もともとの漫画番長の血が再び騒ぎ出してしまいそうで困る。

 世の中にある障がい者差別や“いじめ”を真っ向から取り上げているこのコミックは、大切なことを真摯に取り上げている内容だと個人的には感じた。

聲の形(1) (少年マガジンコミックス)

聲の形(1) (少年マガジンコミックス)

 

 ■「良し悪し」の判断基準

 誠に個人レベルでの判断基準となってしまい恐縮だが、小説でもコミックでも「内容的な良し悪し」に関する判断基準が自分の中にある。それは「自分の子どもに読ませられるかどうか」ということ。そこが私的には良し悪しの分岐点となっている。

 もちろん、「子どもには読ませたくないが大人は読むべきだ」という内容の本もあろうかと思うが、「今は読ませても仕方がない」ということと「読ませたくない」ということでは大きく違う。かといって、ただ単に「残酷だから読ませない」ということとも違う。

 残酷なものや後味が悪い内容であっても、人として知っておいたほうが良い、知っておいた欲しいという物語であれば子どもにも読ませるべきだ。最近ニュースになった「はだしのゲン」もそうだし、以前ご紹介した山岳遭難関係の本などもそうだと思う。

 そういった判断基準を明確にするうえでも、親として大人としてのしっかりとした規範は自分の中に持ちたいと思うし、行動も考え方も一本芯の通ったものであり続けたいと思う。

 「子どもに読ませられるかどうか」。それはそのまま、自分の判断基準を常に考え続けることにもつながると感じている。