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「発想をカタチにする技術」(吉田照幸)

 新しい物を生み出すにはかなりの馬力がいる。発想することもしかりだが、それを組織の中で承認してもらうのにもかなりの努力が必要だ。新しい物を生み出す発想と、それを実現するための力。それを教えてくれる一冊を読んだ。

■「あまちゃん」のディレクターが書いた一冊

発想をカタチにする技術 新しさを生みだす“ありきたり

 今日ご紹介するのNHK朝の連続ドラマで大人気だった「あまちゃん」のディレクターが書いた発想をカタチにする技術という一冊。

 固いイメージの強いNHKの中にあって、コントなどをレギューラ番組にするなど新しいことを進めてきた吉田ディレクター。彼が書いた一冊は、新しいことを始めるのにどのようなことが必要なのかを教えてくれる、とても興味深い一冊だった。

面白いアイデアを思いついても、それを伝え、思惑通りに実現していくのは、なかなか難しいもの。ともすると、「前例がない! 」「そんなのできない! 」という声にかきけされてしまいます。 そんな中で、会社からも、多くの人からも認められるものをつくるには、「きちんと人に伝えること」、「自分の意思を通すこと」でも、「独りよがりにならないこと」が大事です。 さらに、そのアイデア自体が画期的であれば、一番です。 本書では、30代まで芽が出ず退職を考えていたという、異色のNHKディレクター吉田照幸氏(2013年9月よりNHKエンタープライズ)の番組制作での経験を交えながら、 尖っているのに愛される企画のつくり方・通し方、アイデアの発想法などを紹介します。 (Amazonの書評から参照)

 「あまちゃん」がヒットした要因は原作の素晴らしさもさることながら、登場人物がとても個性的でそれぞれのキャラが魅力的だったことや、物語のテンポの良さなどがあったと思う。

 鉄拳のパラパラマンガが使われたり、港の堤防から自転車が映画『E.T.』のように空を飛んだりと、NHKらしからぬ面白さも一役買っていた。それを考えて実行したのが、本書の作者である吉田ディレクターだ。

  本書では新しいことを形にするための独特の発想法や、組織内での実現に向けた首位の巻き込み方などが書かれているが、その方法が整理されて一般化されているわけではなく、実際にNHKの内部で行われた出来事として記載されている。

 ノウハウが書かれているビジネス本のように、万事にあてはめて流用出来ることではない。しかし、NHKでの出来事を自分自身の仕事に当てはめてみることで、読者自身の仕事にかなり有用な一冊になる思う。

■「直感とワクワク感」を大切にする

 本書からは少し離れるが、私も少なからず新商品、新サービスなどの開発に携わっている。この「新」という文字がつくのが曲者で、新しい物を生み出すというのは想像以上に苦しい作業だ。

 しかし、あまり「新」という言葉にとらわれると発想がすぐに行き詰まってしまうので、凡人の私は常にキョロキョロと当たりを見渡して「何か面白いこと」は無いかなと探している。

 それらを組み合わせたりそこから想像を膨らませることによって、今まで市場に無かった物を「新商品、新サービス」と銘打って形にして行くというのが現実的だ。

 そんな時に大切にしているのが「これは面白い!」と思う自分自身の感覚。今回ご紹介した本にもそういったことが書かれていた。「直感」を大事にすることが実は大事なんだということ。

 自分が面白いと思ったことを大切にすることで客観性が生まれ、自分が今からやろうとすることを第三者的に捉えることが出来るんだと思う。作り手側から見た「面白いこと」と受けて側(顧客)から見た「面白いこと」は必ずしも一致せず、一致しないどころか正反対だということもたびたび起こる。

 そんな「大事にすべきこと」などもこの一冊には書かれていて、頭を解きほぐすのにもとても良い一冊だった。

発想をカタチにする技術 新しさを生みだす“ありきたり

発想をカタチにする技術 新しさを生みだす“ありきたり"の壊し方