マネージメントは簡単なようでなかなか難しくて、何気ない一言で相手の心を軽やかにもするし重くもします。どうせなら相手の心を軽やかにして、素直に反省してもらえるようなマネージメントを身につけたいものですよね。
先日お話をした他企業の方から、部下指導に関する興味深いお話を伺いました。
■メールを使って指導する人
ある職場のマネージャーAさんは、正義感の強い真面目な性格。部下指導にも余念がありません。しかし、指導された部下が常に萎縮してしまい、周囲から見てもなかなか伸びないのが手に取るように分かるそうです。
Aさんが叱る時には直接指導ではなくメールがメイン。職場のメンバーをメールのCcに入れて、叱る人の行動だけではなく考え方や人間性にまで踏み込んで悪さ加減を取り上げるんだそうです。これでは叱られる方は精神的に追い込まれてしまいがち。
さらに「みんなもそう言っているぞ」というように、一人称ではない指導まで入ってしまうんだそうです。メールを送られた方はひたすら自信をなくし、上司に対しても不信感を募らせてしまうんだろうなと思いました。
教育熱心なだけに、残念な指導方法だなと感じました。
■明るく笑顔で直接指導をする人
一方、部下数人を持つマネージャーのYさんは、とにかく笑顔を絶やさない上司。部下に対しても思いやりを持って接しています。
誉める時には皆の前で誉め、指導する時には別室に呼んでマンツーマンで指導する。マネージメントの基本ですが、それを忠実に実践しています。
ミスを注意するために別室に呼んで指導する時にも、「頑張っているし成果を上げているんだから、○○を直せばもっと良くなるよ」と励ましを入れながら具体的に指導して行くんだそうです。
指導された社員は「叱られた」という意識よりも「教えてもらった」という意識の方が強くなり、指導された後はニコニコしながら部屋を出てきます。
指導後に笑顔で出てくるというのはすごいことですよね。私も見習わなければいけないなと感じました。
■指導する時ほど笑顔が必要
人は誰でもまずは相手の表情や声で雰囲気を察知します。相手が怒っているなと思えば身構えてしまい、相手の言葉を無意識のうちに跳ね返す準備をしてしまいます。
逆に笑顔で穏やかな話し方をされれば自然と心が開き、相手の言葉の一つ一つを素直に聞くことが出来るようになります。これは大人も子どもも同じですよね。
だからこそ「叱る」時や「指導する時」には、いつも以上に笑顔を絶やさず言葉も穏やかにする必要があります。職場だけではなく家庭でも同様。笑顔は相手の心を開いて共感を得るための大切な行動・表情だと思います。
分かっていながらもなかなか出来ないことではありますし、私も出来ているかと言えばこれがなかなか出来ていない。ついつい無表情なままだったり怒った顔で対応してしまうことが多々あります。
しかし、「笑顔を絶やさないようにしよう」と意識しているのとしていないのでは大違いで、意識しているだけで徐々にそういう対応が出来て行くのではないでしょうか。
私も息子を叱ることが結構ありますが、常に笑顔を絶やさないで話が出来るよう日々精進したいと思っています。これがまた結構難しいんですけどね。