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ほのぼのとしたシリーズの一冊「刑事ぶたぶた」(矢崎存美)

 お気に入りの小説がシリーズ化されているとすべてを読破したくなりますが、シリーズが長くなると徐々に制覇して行くという面白さもあります。今回読んだ一冊も、そんな「制覇したくなるシリーズ」の一冊でした。

刑事ぶたぶた (徳間文庫)

 今日ご紹介するのは矢崎ありみさんの「刑事ぶたぶた」という一冊。主人公が可愛らしいぶたのぬいぐるみながら中年男性という設定の、心温まる素敵な物語です。

春日署に配属された新人刑事の立川くん。彼の教育係になった上司の山崎ぶたぶたさんは、なんと、ピンク色をしたぶたのぬいぐるみだった。立川くんが、びっくりしている間もなく、管内で起きる数々の事件―銀行強盗によるたてこもり、宝石の窃盗、赤ん坊の誘拐―に、ぶたぶたさんは、可愛いらしい容姿で走り、潜入し、立ち向かう。(「BOOK」データベースより)

 「ぶたぶたシリーズ」の主人公は"ぬいぐるみの山崎ぶたぶたさん"。ピンク色のぶたのぬいぐるみなのに動くだけではなくて、歩いて、しゃべって、仕事をしていて、料理が上手な優しい中年男性。綺麗な奥さんと可愛い娘さん二人とで生活していますが、奥さんと娘さんはぬいぐるみではなく普通の人間。

 そんな"ぶたぶたさん"と知り合った人々は、心に抱えていた悩みや悲しみが徐々に薄れていき、ぶたぶたさんと知り合ったことで幸せになっていくというストーリー展開がシリーズの中では一貫しています。

 今回はぶたぶたさんが刑事だという設定で物語が展開していきますが、主人公のぶたぶたさんの心温まる行動や言動が書かれているだけではなく、赤ちゃん誘拐に関わる謎解きも盛り込まれていてとても面白い一冊になっています。

 矢崎存美(やざき ありみ)さんは、星新一ショートショートコンテスト優秀賞を受賞して作家となられた方。「食堂つばめ」など心温まる物語でも短編連作の形が取られていて、さすがに短編がお上手だなと思います。

 読んで心温まるぶたぶたシリーズ。心を休めたい時などにもオススメですし、家族で読んでも楽しめるシリーズだと思います。

 これで文庫化されたシリーズはすべて制覇したと思っていたら、つい最近新しい一冊が出ていました。次回本屋に行ったらまっさきに買い求めたいと思います。皆さんもぶたぶたシリーズをぜひ。

刑事ぶたぶた (徳間文庫)

刑事ぶたぶた (徳間文庫)