気分はポレポレ よろず情報ブログ

大好きな文房具や書籍、日常のことなどを随時更新中です!

幸せに生きるためのヒントが満載!『「磯野家』の幸福』(おかの きんや)

 読んでみたいと思う本を知る機会というのはたくさんある。 新聞の書評を読んで、ブログの記事を読んで、テレビの紹介を見てなどなど。 今回は職場で開かれた「ビブリオバトル」で知った一冊だが、 「チャンプ本」になっただけのことはある素敵な一冊だった。

■日本で最も有名な家族が題材の一冊

「磯野家」の幸福

 今日ご紹介するのは“おかの きんや”さんの『「磯野家」の幸福』という一冊。 国民的人気の漫画「サザエさん」を題材にしたノウハウ本で、 「生きていくうえで幸せになるためのヒント」が書かれた一冊だ。

角を立てない「文句」の言い方。嫌味なく、自分を「売り込む」方法。無駄な「不安」を減らすコツ。ありそうで、どこにもない。サザエさんは、正しい“悪知恵”の宝庫です!(「BOOK」データベースより)

 サザエさんといえば今でも人気のアニメ。 私が子どもの頃はテレビ放映もさることながら、 コミックのサザエさんもかなり読んだ。テレビの絵とコミックの絵とでは雰囲気もかなり違う事に驚いたりもした。

 この本では4コマ漫画のサザエさんに出てくるエピソードを基に、 現実の社会でも“磯野家的に生活する”ことで、 ストレスが軽減されたり人間関係が改善されたりするという事が書かれている。

 ○角の立たない文句の言い方

 磯野家の隣に住む気難しいお年寄り。 一人で碁を打っていると磯野家からバイオリンの音が大音響で聞こえてくる。時間が経ってもバイオリンの音が鳴り止む様子を見せず、 頭に来たお年寄りが磯野家に向かって怒鳴り声をあげる。 「すこし、ラジオの音を小さくしたらどうですか!!」 下手なバイオリンを弾いていたマスオさんは、 「へ〜、ラジオの音か〜♪」とニコニコしながら楽器をしまう。隣のおばあさんが「あなたも如才ないわね」と声をかけると、 おじいさんは照れながら「おとなりどうしだからね」とつぶやく。

○ちょっとした幸せを感じることの大切さ

 会社帰りにパチンコ屋に寄ったマスオさん。 調子が良くてジャラジャラと球が出てきて、 景品と交換してみると元手よりも少しだけプラスになった。「元手を引くと110円の儲けだ!」 ウキウキ気分で景品を見ながらバスに乗っているマスオさんの隣で、 不動産屋さんが顔を歪めながらつぶやいている。「あの土地を売った儲けがたったの6,000万円か〜」 。大もうけした人がため息をついて、 110円の儲けの人が鼻歌まじりでウキウキしているという様子だ。

  サザエさんの漫画はユーモアたっぷりの内容ながら、 よくよく読んでみると精神的な豊かさや社会でのルールなど、大切な事がたくさん書かれているんだなと思った。だからこそいつの時代になっても読み継がれているんだとも思う。

 本書はそういった「昭和の良い部分」を前面に出しながらも、 精神的に幸せな時間を過ごすにはどうすれば良いかという事や、 忘れかけていた社会的マナーなどを教えてくれる一冊であり、子どもたちにもぜひ読ませたいなと思える一冊だった。

「磯野家」の幸福

「磯野家」の幸福

 

  ■ビブリオバトルの力

f:id:polepole103:20141122171934j:plain

 冒頭でも書いたが、 今回ご紹介している本は職場で行われたビブリオバトルでのチャンプ本。 オススメの本を持ち寄って紹介した本の中から、 紹介を聞いていた人たちが投票で選んで一番になった本だ。

 個人的にはこういった「〇〇で幸せになれる」という本は日頃は敬遠している。どこか嘘っぽいというか懐疑的になってしまうことが多いので、 書店で見かけてもあまり手に取ることがない種類の本である。

 しかし、ビブリオバトルで内容を聞いて興味を持ち、 書店で買い求めて読んでみたらやはり面白い!日頃読む事の無い種類の本を読んで面白いと思えたのも、 ビブリオバトルで紹介されたからこそだなと感心した。

 この本を薦めたGさんは「サザエさんとマスオさんの夫婦円満の秘訣も書いてある」紹介し、聞いている人の心をググッと引き寄せたような感じがあった。ビブリオバトル当日の聴取者は所帯持ちの人が多かったため、 実に効果的なプレゼンだと思ったしそういう内容がたくさん書かれた本なのかなと思っていた。

 しかし、実は内容的にはそのエピソードは全体のほんの一つで、それ以外にも社会的なマナーのことやご近所付き合いのコツなども書かれている。聞いている人の年齢層に合わせてそのエピソードを全面に出したというのが、チャンプ本に選ばれた最も大きなポイントでしたしプレゼンの上手さだなと感心した。

 「本を知り、人を知る」というビブリオバトルの本質を、 こうやってチャンプ本を読む事で改めて感じる事ができた。