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「アンガーコントロールマネージメント(戸田 久実(著))」、怒りをコントロールして心穏やかに過ごす

「弱い犬ほどよく吠える」という諺(ことわざ)がある。諺というよりも、自然界の事象を人間界に当てはめた言葉なのだろう。実際に子どもの頃に飼っていたスピッツは、昼も夜もちょっとしたことで激しく吠えてご近所に迷惑をかけていたと思う。当時は室内で犬を飼う家はほとんどなかったので、小型犬を飼っている家は大なり小なり鳴き声で苦労していたのかもしれない。

人間界でも、何かと言うとすぐにギャンギャンとがなりたてるひとがいる。今では少なくなったが、昭和の頃はちょっとしたことで怒鳴る上司や先輩が色々な職場にいた。若手社員を捕まえては額に青筋を立てて説教をしたり、ちょっとしたミスをあげつらって机を叩いたりする光景が見られた。実に身勝手で迷惑な話だ。

一方、どんなことがあっても怒りを顔や言葉に出さず、グッとこらえて穏やかに指導する上司や先輩もいた。だからといって気が弱いわけではなく、相手の言い分をきちんと聞いて丁寧に対応する。感情を表に出さないのではなく怒りの感情だけをしっかりと抑えて、楽しいことや嬉しいことは素直に表情や言葉に出して明るく表現する。人格者と言われる方々の多くはこのタイプで、黙っていても慕う人が出てくるというのは当たり前のことだろう。

私も長いサラリーマン生活の中で、こういった人格者と呼ばれる方に何人もお世話になった。時には人生の岐路に立った時に助けていただいた方もいらっしゃるのだが、そういう方ほど見返りを求めないので満足にお礼をする機会を逸することもあった。だからこそ、私自身も誰かの役に立つことで恩返しをしたいのだが、人生半世紀を過ぎても感情の中で「怒り」をコントロールするのが最も難しい。  

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 戸田久美さんが著者となっている「 マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント」は、「怒り」という感情をどのようにコントロールすれば良いのかが分かりやすく書かれている。

戸田久美さんはアンガーマネージメントなどをテーマにした社会人研修を行なっており、私も以前アンガーマネジメントの研修を受講させていただいた。研修終了後に個人的に「アンバーマネージメントの教本はどれが良いか」と質問したところ、一番割りやすいと教えていただいたのがこの一冊だ。 

この一冊はマンガでのストーリー仕立てになっており、節目節目で解説が書かれているという形式だ。最近ではこういったコミックエッセイ的なビジネス書が増えたが、まさにそういったシリーズのひとつだろう。

本書の主人公は、下町の信用金庫に勤めるしおり。20代後半になったしおりは、地域活性化プロジェクトのリーダーを任される。しかし、プロジェクトメンバーはそれぞれ非協力的であったりやる気がなかったりと、その行動や言動が彼女の「怒り」を増幅してしまう。そんな時に、実家のそば屋の常連である梅原氏が怒りをコントロールする技術「アンガーマネジメント」をしおりに伝授する。その教えて受けてプロジェクトメンバーや周囲との対応を徐々に変えていくのだが、その結果として思わぬ効果が生まれてくる。

本書に書かれているのは単なる方法論ではなく、どうしてそのような感情が発生するのかなどが解説されているので理解しやすい。また、実際に「怒り」をコントロールするために、例えば自分がどのような事象に「怒り」を覚えるのか分析し自己対応するなど、具体的な対応方法も書かれている。

こういった本を読めばその通りできるとは限らないのだが、「怒り」で眠れない日やイライラする時間が少しでも少なくなればそれに越したことはないだろう。そういう意味で、一読する価値のある一冊だと思う。私も「怒り」を感じた時に、本書に書かれているいくつかの方法を試してみて、なるほど効果があるなと実感している。 

マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント

マンガでやさしくわかるアンガーマネジメント