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秋の夜長にこの一冊を。「イノセント・デイズ(早見 和真)」

今週のお題「読書の秋」

涼しくなるに従って読書量が増えてきた。季節的に読書量が増える秋だからということもあるが、スマホやPCから少し距離を置くようになったのも大きな要因だ。最近ではブログの更新もままならないが、その分大好きな読書に没頭する時間が増えているのは好ましいことだ。

先日は書店の平台に乗せられていた書籍を手に取ってみた。ヒット作品でありながら今まで読む機会のなかった一冊だが、読んでみると心を揺さぶられるような感動を覚えた。人は「必要とされること」が必要な生き物だということを痛感した一冊だった。 

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ドラマ化もされたベストセラー作品の「 イノセント・デイズ (新潮文庫)」。昨年文庫化されたので読まれた方も多いと思うが、個人的には帯に書かれた「読後、あまりの衝撃で三日ほど寝込みました」という大げさな推薦文に鼻白んで読んでいなかった。

それでも季節は読書の秋。目当ての本を買った後に平台を見ていて、この本がとても気になり購入した。読んでみるとさすがにベストセラー作品、息をつかせぬ展開にページをめくる手が止まらず一気読みしてしまった。

主人公は、元恋人の住むアパートに放火をし、元恋人の妻と幼い子どもたちを殺した田中雪乃。 放火殺人の罪で逮捕され、控訴しないまま死刑判決が確定した死刑囚だ。ストーカー行為と身勝手な復讐で狂気の殺人犯となった雪乃は、静かに死刑執行を待つ日が続きついにその日がやってきた。

物語は一転して、元恋人の話や友人の話、中が高時代の友人や産婦人科医など、彼女が関わってきた人々の話で徐々に雪乃自身の生い立ちや歩んでき道が見えてくる。そこには、孤独に苦しむ雪乃の人生や事件に関するマスコミ報道の虚偽、善人と思われていた人の真の姿など様々な人間模様が明らかになっていく。幼なじみの弁護士などが雪乃の無実を信じて奔走し、徐々に事件のあらましや真実に近づいていくが、死刑執行の日は着実に近づいてきていた。

物語は推理小説でありながらヒューマンドラマであり、人の心の脆さや風潮に流されやすい社会の在り方など様々な要素が盛り込まれている。事件の真相やそこに至る出来事なども非常に興味深くグイグイと引き込まれていくが、なによりも人の心の中にある「人として必要とされることの大切さ」をこの物語で再認識した。

読後に人の心の脆さや危うさ、そして清らかさを感じて感動する一冊。求める秋の夜長にじっくりと読んでいただきたい一冊だ。

イノセント・デイズ (新潮文庫)

イノセント・デイズ (新潮文庫)