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気軽に読めてフワッと温かくなる一冊、「これは経費で落ちません!」(青木祐子)

最近、お仕事小説(というジャンルがあるかどうか不明だが)を立て続けに読んでいるが、割りと多くの本が発売されていて楽しんでいる。軽いタッチのものから重い内容のものまで様々だが、そのなかで登場人物に好感が持てて謎解きの要素も入った一冊があった。

経理担当者が主人公の楽しい一冊

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書店の平台で見かけて何気なく買い求めたのが、青木祐子さんが書かれた「これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)」という一冊。経理部で働く若宮さんという女性が主人公の物語だが、経理担当者が主人公というのは少し珍しいかもしれない。

主人公の森若沙名子は27歳の経理部員。入社以来、経理一筋できちんとした仕事を務めてきた沙名子は、余計なことは語らず身なりもシンプル。きりっとした美人でいわゆるクールビューティーながらも、控えめで目立つことは嫌い。彼氏もなし。たまの贅沢は、週末の会社帰りにデパ地下で少しリッチなおかずを買って、独り暮らしの部屋でゆっくりと食べることぐらいだ。

そんな波風の立たない生活を心がけている沙名子が勤める会社は、入浴剤の開発・製造・販売では老舗の、天天コーポレーションという会社。最近では新たな市場開拓のために、人気のあるプランナーと組んで日帰り入浴施設とのタイアップなども進行させている。

ある日、営業部のエース・山田太陽が持ちこんだ領収書には「4800円、たこ焼き代」と書かれていた。また、別な日には某有名アトラクション施設の入場料金も領収書として出されてきた。経理の目で見たか社内の人間模様とは。

 ストーリー展開も軽快でスラスラと読めるのが良い。主人公の周囲で起きる小さな出来事がひとつひとつの章立てになっていて、それらが少しずつ関係し合いながら主人公の環境が少しずつ変わっていくのが面白い。

決して大きな事件は出てこないし、込み入った人間関係や謎があるわけではない。それでも次々とページをめくりたくなるのは、人物設定などがうまいからだろう。

あまり考え込まずにさらっと読めて、読後にフワッとした温かい気持ちになる一冊だった。この物語は「風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室 (集英社オレンジ文庫)」の続編にあたるようなので、そちらもぜひ読んでみたいと思う。

これは経費で落ちません!  ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~ (集英社オレンジ文庫)

 
風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室 (集英社オレンジ文庫)

風呂ソムリエ 天天コーポレーション入浴剤開発室 (集英社オレンジ文庫)

 

懐かしい道具が何気無く登場

腕カバー

物語の中で出てくるのが、昔懐かしい「腕カバー」。経理部のメンバーは手書きの書類を作ることが多いため、作業を行う時にはこれをつけて袖が汚れるのを防いでいる。

私も若い頃は事務作業を行う部署に所属していたので、腕カバーをつけて作業をすることが多かった。まだワープロさえ無い時代だったので、鉛筆やボールペン、カーボン紙で袖が汚れるのを防ぐために必須の道具だった。

汚れを防ぐのと同時に、これをつけると「さあ仕事するか!」と気合いが入ったのを思い出す。懐かしい道具だ。

アトム 純綿腕カバー 両ゴム

アトム 純綿腕カバー 両ゴム