書類を綴じるのに、少し前までは穴を開けていた。二穴パンチが職場でも家庭でも当たり前のように置いてあったが、いまでは穴を開けずにクリアファイルなどに入れてそのまま保存することも多い。そんな世の中の動きに合わせて、あのロングセラー商品も変化をするようだ。
フラットファイルは誕生60周年!
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/feature/ff60/
コクヨのフラットファイルといえば誰もが知っているファイリング用品で、誰もが見かけたことのある商品だろう。他社からも同様の商品が発売されているので少々紛らわしいが、文具店では必ず棚に常備されている商品でもある。
そのコクヨのフラットファイルが発売開始となったのが、今から60年前の昭和31年(1956年)のこと。昭和31年といえば日本が戦後の混乱から立ち直り、高度経済成長に入ったまさにその頃だ。自動車や電化製品だけではなく、文房具の世界でもめざましい進化が始まった時代だったのだろう。
当時主流だったブリキのとじ足を、ポリエチレン製に変えたというのが高度経済成長を感じさせる変更点だなと思った。フラットファイルの開発には様々な試行錯誤があったようなので、ご興味がある方はぜひ開発秘話を読んでいただきたい。
ロングセラー商品が来年早々にモデルチェンジ
販売から60年で累計販売数50億冊という途方も無いロングセラー商品だが、当然のことながら発売当初のまま売られ続けられたわけでは無い。 時代のニーズに合わせて大きさや材質を変え、閉じ具も少しずつ変化してきている。
しかし、大幅な変更が施されるわけではなく、あくまでも原型というか基本コンセプトは変わらないままで進化してきている。
http://www.kokuyo.co.jp/com/press/2016/11/1890.html
今回発表されたニュースリリースによると、発売開始61年目を記念して2017年1月12日に新たなシリーズを投入する。その名も「フラットファイル<NEOS>
とはいえ、ニュースリリースの写真を見ていただいても「どこが変わったの?」という感想が聞こえてきそうだ。私もそう感じたが、内容を見るとロングセラーらしい質実剛健とさえ言えるような工夫が施されている。
クリアポケットがはみ出さないセミワイド表紙
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/neos/
写真では分かりにくいが、今までのフラットファイルよりも表紙が約11mm大きくなっている。今までは二穴クリアポケットを綴じると若干はみ出ていたが、これならしっかりと綴じることができる。
タテ・ヨコどちらにも使える
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/neos/
これまた写真では分かりにくいが、表紙はタテ・ヨコどちらでも書けるようなデザインとなっているようだ。最近ではパワーポイントなどでA4ヨコの資料が多いので、綴じる書類群によって替えることができる。
カラーラインナップも変更
http://www.kokuyo-st.co.jp/stationery/neos/
今までのフラットファイルは、どちらかというとはっきりとした色だった。しかし、最近では少しくすんだ色がオフィスでは好まれるようなので、新シリーズでは今までなかったカラーが揃っている。
ユーザ目線でのモデルチェンジ
どれも地味といえば地味なモデルチェンジだが、これは使う人のことを考えた末での変更なんだなと感じた。奇抜な機能やデザインでは、これからも末長く使ってもらうのにはそぐわないということなのでは無いかと思う。
そういったユーザ目線での商品開発とラインナップが、ロングセラー商品として使われ続けられている一つの要因なのかもしれない。
※商品スペック等