日頃から文房具の新商品をご紹介しているが、楽しみにしている新商品ほど店頭でなかなか見かけないということが多々ある。結局はAmazonなどで購入するのだが、人気の新商品ほど売り切れが続くのでなかなか手に入らないということになる。ところが今回は、思いがけない形で気になる新商品を手にすることができた。
思いがけず旅先で見つけた新商品
今週末、プライベートな用事があって新潟県に出かけたが、帰りの新幹線まで時間があったので駅ビルにある書店にぶらりと立ち寄った。なかなか大きな書店で文房具コーナーも充実していたが、そこで見かけたのがコクヨの新商品「テープのり ドットライナー ワイド」。以前ご紹介した新商品だ。
「おー!発売になったんだ!」と喜んで迷わず購入したが、この商品の発売日は8月10日(水)だったのではないかと思い当たった。調べてみたらコクヨのHPではやはり8月10日発売となっている。
若干フライング気味に店頭に出してしまったのか、勘違いしてしまったのかは定かではないが、こちらとしてはちょっとだけ得をした気分だ。
思った以上に幅が広くて使い易い
累計8000万個以上を売り上げるドットライナーシリーズの中で、最大のテープ幅なのがドットライナー・ワイドの特徴だ。スタンダードタイプのテープ幅が8.4mmなのに比べて、ワイドは2倍以上の20mm幅になっている。
手元にあるコクヨ テープのり ドットライナーホールドもスタンダードタイプと同じテープ幅なので、比べてみるとその差が良く分かる。
テープ幅が広い分、軸の直径が細いというのも使い心地を考えてのことだろう。紙に接する面が横に広い分、縦部分を少なくすることで抵抗を減らしているのではないだろうか。
テープ面の汚れを防ぐためのカバーは、パチッと開くとテープのり本体の下部に来るようになっている。テープ幅が広くなると接着面が斜めになった場合に効果が減ってしまうが、このカバーをガイドにしながら引くことでしっかりと水平にのりをつけることができる。これも一つの工夫だろうと思う。
ドットライナーシリーズの交換用テープは、テープを接着する先端部分もセットとなっているため、本体(白い部分)が共通で使えるというのも便利だ。こういった細かな工夫がヒット商品として選ばれている要因の一つだろうと思う。
テープのりは工夫の宝庫だと思う
テープのりが発売された当時は、少し古くなるとテープ部分が紙に強く着いてしまい、テープだけが飛び出してしまうことがあった。そのためにテープを巻き戻すための小さな穴が取り付けられていて、ゼムクリップを伸ばしたものなどを差し込んでキリキリと巻いたりしていた。
今でもそういった小さな穴は取り付けられているが、最近のテープのりではその機能を使うことが少なくなったような気がする。また、今回ご紹介した商品のように、幅が広くなれば軸を細くし、さらに先端カバーをガイド代わりにするなど、随所に工夫が凝らされている。
文房具の魅力の一つは、小さな道具なのに精巧に作られている点。テープのりに関しても「さっと塗ってさっと貼る」という当たり前のことを当たり前にできるよう、細かな工夫が凝らされているところが良いなと思う。
こういった工夫された部品一つ一つを眺めて「良いな〜」と思うあたりが、文具好きならではだなと思うし、そうでない人から奇異の目で見られるところかもしれない。