文房具好きなので、新商品情報を見つけたり便利なものを見つけたりするためにムック本を買うことがある。また、情報誌に文房具特集が掲載されていれば、それらも買って読むことが多い。
しかし、そういった雑誌類などは「商品自体」を紹介するものがほとんどで、実際に自分が使うことをイメージできるものは少ない。そもそも、文房具類は必要に迫られて買うものが多いので、新たな使い道を指南してくれるような本は珍しいのだろう。
文房具類を使っているシーンがイメージできる一冊
4月下旬に発売されたのが、仕事で使える文房具を紹介した「仕事文具」という一冊。仕事で使う文房具の指南をしてくれる一冊だ。著者の土橋正さんは、文房具好きなら一度はその名前を見聞きしたことがあるというほど、文具コンサルタントとして活躍されている方だ。
この一冊についても文房具好きな方が何人もご紹介されていたが、実際に読んでみて非常に楽しめる一冊だった。
「情報をインプットする」「プレゼンをスマートにする」など、仕事を進める上でのシーンごとに文房具が紹介されているのが見やすくて興味深い。 また、途中で文房具に関するコラムも挟まれているので、商品紹介だけではなく楽しむこともできる。
そして、なによりも一番共感を覚えたのが、「まえがき」に書かれていた一文だった。
仕事の中心がいくらパソコンになっても、文具は手放せない。私が文具を使うのは懐古趣味ということではなく、その仕事をするのに文具のほうが効率的にできるから。つまり、機能的だからだ。
(「仕事文具」まえがき中段からの引用)
「そうだ、そのとおりなんだ」と、思わず膝を叩きたくなるような一文だ。
パソコンを使うことが一般的になった現代では、文房具類はデジタルデバイスの補助的な意味合いが強くなったような感がある。
しかし、文房具類はデジタルデバイスに取って代わられるものではなく、またどちらかが優れていると比べるものでもない。自分が便利だと思う方をチョイスすれば良いだけのことだ。
手書きでメモするよりキーボードを叩いた方が早い人は、迷わずデジタルデバイスを使えば良い。アイデア出しは手書きの方が好きな人は、スケッチブックなどに書き出せば良い。そういうことだろうと思う。
仕事に必要な文房具類を今一度見直すためにも、丁寧に読み込みたい一冊だ。
自分が使っている文房具を見つけて喜ぶ
仕事に役立つ文房具がシーンごとに紹介されている一冊だが、その中に自分が使っているものを見つけると素直に嬉しい。特に、自分でたまたま探しだして「これは便利だ」と使っているものがあると、自分を誉められているようで嬉しい。我ながら単純だなと思う。