視覚障害の方が行うスポーツはいろいろあるが、 ブラインドサッカーは最近スポーツニュースでも取り上げられるなど、徐々にメジャーになってきつつあるスポーツではないだろうか。見えない状態でボールを操り、果敢にディフェンスを行うブラインドサッカー。見えない状態でダッシュするだけでも相当の技術と勇気が必要だが、だからこそ見るものにも勇気を与えてくれるのだろうと思う。
今回、韓国代表チームを招いてのクラブチャンピオンシップが行われたが、ご縁があって親子でボランティアに登録し微力ながらお手伝いを行ってきた。
ぶつかり合いも見られる激しいスポーツ
3月26日、27日の週末に富士通スタジアム川崎で行われたのが、クラブチャンピオンを決める「ブラインドサッカー・クラブチャンピオンシップ 2016」という大会だ。全国各ブロックの上位チームが集まり、さらに今年は韓国代表チームを招いて二日間の熱戦が繰り広げられた。
ブラインドサッカーは視覚障害の方々が行う競技だが、全盲の場合でも光を感じて影が見える方もいるためアイマスクをつけて行う。また、怪我を防止するためにヘッドギアを装着し、サイドラインにはフェンスが設置されていて、選手はフェンスを利用してパスを繋げることもある。
ボールには鈴が内蔵されていて、選手はその音を頼りにゲームを進めていく。キーパーは晴眼者であり指示を出すが、それ以外にも相手ゴール裏にガイドと呼ばれる自チームの選手がいて指示を受ける。
そのほかにもフットサルとは異なるルールがいくつかあるが、それは試合を観戦することで自然と覚えていくだろう。まずは試合を観戦することが、ブラインドサッカーを理解し楽しめることに繋がるんだろうと思う。
パラリンピック種目にもなっているブラインドサッカーは、2020年パラリンピックに向けて他の競技同様に盛り上がってくるのではないだろうか。
ボランティアを経験して感じたこと
今回、ご縁があって高校生のむすこと二人でボランティアとしてお手伝いを行ってきた。一昨年に東京で行われたブラインドサッカー世界選手権をライブ観戦したが、その時の迫力と感動をもっと身近に感じたくなり、春休みで時間のあるむすこを誘ってみた。
当日は朝8時半から午後1時までのお手伝いだったが、ゴールを運んだりフェンスを運んだりと力仕事を全員で行い、その後事務局によって振り分けられた担当ごとに運営のお手伝いをさせていただいた。
むすこは2日間とも会場内の案内・誘導を担当し、土曜日に仕事のあった私は日曜日だけ試合中の運営を行わせていただいた。
その他にも、グッズ販売のお手伝いや受付業務などもあり、土日を合わせて大勢のボランティアの方々が手伝っていらっしゃった。
観客はそれほど多いわけではないが、応援に来られた方々や取材陣は皆さん熱心に応援を行い、会場自体は常に活気があふれていたのが印象的だった。
今までは試合を外側から観戦していただけだったが、今回ボランティアとしてお手伝いをさせていただいたことで、ブラインドサッカーに関わる方々の熱い想いを感じることができた。
「見えないのにボールを操ることができる」ということではなく「見えないからこそ感じられるものがある」ということを肌で感じることができたのは、親子揃って大きな収穫だったなと思う。
高校生の息子に社会のことを教えるのには、100の言葉を並べるよりもこういったボランティアの現場を経験させるのが良い。ボランティア活動中も高校生特有の無愛想な表情だったが、その中でも何かを感じ取っている様子がうかがえて親としても嬉しい限りだった。
日本代表の応援ソング動画が感動的
ブランドサッカー日本代表の正式な応援ソングが、PVとしてYouTubeにアップされている。歌も素晴らしいが、このPVの内容がとても感動的だ。ひたむきなプレーとともに流れる応援ソング、その途中途中に挟み込まれるメッセージ。ぜひご覧いただきたい。
動画を見るだけでも感動するブラインドサッカーだが、試合会場で実際に見るとさらに感動的だ。これからも大きな大会が開催されるので、一人でも多くの人に会場へ足を運んでもらい、選手の皆さんから元気と勇気を受け取って欲しい。