おやこでポレポレ《文房具好きブログ》

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「花のさくら通り」(萩原 浩) 自分も含めた普通の人達にエールを送りたくなる物語

お題「秋の夜長に読みたい本」

 最近、毎週月曜日のブログ記事では自分が読んだ本の中で「元気が出る一冊」をご紹介するようにしている。何かと気分が重くなりがちな月曜日に読んで元気が出る一冊をご紹介することで、自分も元気になれるような気がするからだ。

 とはいえ、私はどちらかというと一年を通じて割と気分明るく過ごしている方で、家族からも「いつも楽天的で良いよね」と言われることがある。楽天家には楽天家なりの苦悩もあるのだが、月曜の朝でも機嫌良く出勤できるのだから幸せな方なんだと思う。

読んで気分が明るくなる一冊

花のさくら通り (集英社文庫)

 読みながら気分が明るくなって元気がでるのが、萩原 浩さんが書かれた「花のさくら通り」という一冊。桜色の表紙と優しいタッチの表紙絵が、書店の平台で目を引く一冊だ。

 倒産寸前のユニバーサル広告社は、都心のオフィスを追い出されるように引っ越すことになった。社長の石井とコピーライターの杉山、アートディレクターの村崎と紅一点のバイト猪熊の4人は、中型トラック一台での寂しい引っ越しとなった。

 環境の良いオフィスに移転すると思っていた社長以外の三人だったが、コンビニもカフェもない地方の駅前商店街に到着し、和菓子屋の二階にある新しいオフィスを見上げてため息をつくことになった。

 ユニバーサル広告社が新たにオフィスとした建物は、少子化やスーパー進出で寂れた”さくら通り商店街”というシャッター通りの一角。”さくら通り”とは名ばかりで桜の木はずいぶん前に伐採され、商店街の面々も過去の栄光を引きずって商店街の活性化には前向きではない様子だ。

 毎年行われている「さくら祭り」のチラシを頼まれたことをきっかけに、杉山は少しずつ商店街の面々と付き合い始めることになる。その縁で商店街に出没する放火魔を追いかけることになったり、さくら祭りを盛り上げることになったりするが、根本的な商店街の活性化には程遠い内容だった。

 それでも、さくら祭りが思いがけず成功したことや、高齢化が進む団地での販路を見出だし始めたことで徐々に商店街の面々が活性化に動き始めていく。しかし、そこに立ちはだかったのは、商店街独特のヒエラルキーと古い体質の古参達だった。

 この物語は「商店街の活性化」という縦軸に沿って、商店街に住み商売を営んでいる人々の悩み、若者の恋が横軸となって絡みながら進んで行く。また、主人公である杉山のプライベートなやりとりについても、じんわりと心を温かくしてくれる。

 なによりも、一生懸命に愚直に頑張る人々の努力が、少しずつだが実っていくという過程には読んでいて勇気付けられる。それも単純にスイスイと物事が運ぶのではなく、時には挫折したり時には思わぬ妨害にぶつかったりと読んでいてハラハラする。

 しかし、読み終わった時に心の中に流れるのは「努力は報われる」ということであり、「大切なのは人の縁だ」ということを感じることができるだろう。

 545ページとなかなかの長編なので気軽に読むという訳にはいかないが、秋の夜長にじっくりと読みには最適の一冊だ。

花のさくら通り (集英社文庫)

花のさくら通り (集英社文庫)

 

人のご縁は大切にしたい

 今回ご紹介した一冊は「人の縁の大切さ」を描いていることは前述したとおりだが、実際に「良いご縁」に恵まれることはありがたいことだし、そういったご縁を大切にすることで自分自身の人生も豊かになるんだろうと思う。

 私も今までいろいろな人と出会い、いろいろな人の優しさに助けられて困難なことを乗り越えられてきた。長い付き合いの方もいらっしゃるし知り合って数年の方もいらっしゃるが、共通しているのはピュアな気持ちで接してくれるということだろう。

 そんな方にはこちらも自然とピュアな対応をさせていただくし、無理のない範囲で協力を惜しまないという関係を築いていくことができる。

 なんだかんだと言っても、最後は人と人とのご縁が豊かな人生を送るためには欠かせないものだと思うし、そういったことを大切にしてこれからも過ごしていきたいなと思う。