紙を貼り付けるときに使う道具といえばテープのりが主流となっているが、書類を入れた封筒を封緘したり、壁に貼紙をするときなどにはセロハンテープが便利だ。セロハンテープにも様々な種類があるが、基本的には両手を使って貼ることになる。
ところが、片手で貼れるセロハンテープが発売されていて、実にユニバーサルデザインに配慮された商品だと感心した。
片手で貼れる「ハリマウス」
片手で貼れる便利なセロハンテープが「ハリマウス」という商品だ。京都市にあるハリマウス株式会社が販売している商品で、社名のとおりこの商品一本で事業を運営している会社だ。なんだか潔いなと感じた。
この商品の特徴は「ひと貼り1秒!」と銘打たれているとおり、片手で簡単にセロハンテープが貼れることだ。貼りたい位置にテープを合わせて押さえ、そのまま引いて貼り終わりの場所で手を離すだけ。これだけで綺麗にテープを貼ることができる。
実際に使ってみると実にスムーズにテープが出てきて、力をかけなくてもサッと貼ることができた。大量の郵便物を封緘するときには、非常に便利な文房具だと言える。
使いやすいだけではなく、手の不自由な方や高齢者、子供にとっても使いやすいという、ユニバーサルデザイン文房具だとも言える。これがあれば、今まで苦労して貼り付けていたセロテープも、ストレスなしに使うことができるだろう。
簡単便利なだけではなく使う人に優しい「ハリマウス」は、これから他の商品を押しのけて売り上げが拡大するかもしれない。そうなることで新たなタイプも開発されるかもしれないので、人知れず応援したくなってしまう商品だ。
「ユニバーサルデザイン」ってなんだろう
ユニバーサルデザインとは、文化・言語・国籍の違いや、障害の有無などにかかわらず、最初からできるだけ多くの人が使うことのできるデザインのことだ。商品だけではなく施設の設計などもユニバーサルデザインに含まれるが、牛乳パックの切れ込みやシャンプーボトルのヘッド部分にあるマークなどが有名だ。
文房具類でいえば、軽い力でたくさんの紙に穴をあけられる二穴パンチや、左右どちらの手でも使いやすいカッターナイフなどがあげられるだろう。これからは機能だけではなく、ユニバーサルデザインに配慮された商品を選ぶということも心がけたいと思う。
これからのモノづくりに必要なこと
私は左利きなので、子どもの頃から道具を使うのに苦労していた。ハサミや包丁などは代表的な例だが、他にも冷蔵庫のドアやテレビのチャンネル(昔の回すタイプ)も使いにくかった。
今回ご紹介した「ハリマウス」のように、片手でも使うことができる道具というのは、便利なだけではなく誰でもが使える人に優しい道具だと思う。
モノづくりを行ううえでは「人に優しい」ということを考慮するだけで、他の商品との差別化が図れるのでは無いかと思うし、そういった商品が増えていくことで過ごしやすい世の中になるというのは言い過ぎだろうか。