長野県と山梨県を南北に30km連なる八ヶ岳連峰。 その北側の山塊が北八ヶ岳と呼ばれており、南八ヶ岳よりも緑が濃く山容は穏やかだ。数年前にむすこと二人で白駒池周辺を散策し色鮮やかな紅葉を楽しんできたが、苔のむす森の中を歩くと気持ちも落ち着く気がした。
夏休みももうすぐ終わるが、9月後半の残暑厳しい時期に静かな北八ヶ岳で苔の観察会に参加するのも楽しいだろうと思う。
森と苔を愛でる観察会
北八ヶ岳で苔の観察会を開催しているのが「北八ヶ岳苔の会」。北八ヶ岳の青苔荘、白駒荘、高見石小屋、麦草ヒュッテ、南佐久北部森林組合が作っている会で、森と苔の観察会を年数回開催している。5月から始まった苔の観察会も、9月後半の週末に麦草峠周辺で行われる観察会で最終回を迎える。
麦草ヒュッテに宿泊しての観察会は、麦草峠周辺を観察するだけではなく、苔を題材とした講演会や意見交換会などもあり、森と苔をじっくりと楽しめる二日間となりそうだ。
秋の気配が濃くなってくる9月末の麦草峠での観察会は、残暑厳しい都市部を離れて非現実的な世界に身も心も浸すことができるかもしれない。
■北八ヶ岳苔の観察会
日時 9月26日(土)-27日(日)
場所 麦草ヒュッテ
講師 樋口 正信氏
費用 1泊2食 大人:15,000円(相部屋)、子供(小学生):10,000円
申込 麦草ヒュッテ Tel: 090-7426-0036へ直接【定員20名、先着順】
http://www.kitayatsu.net/home/kokekansatsu20150926
苔の世界は神秘的で奥が深い
白駒池の周辺は日本3大原生林の一つに数えられる原生林で、「緑の回廊八ヶ岳、白駒池コメツガ植物群保護地域」や、「北八ヶ岳自然休養林」に指定されている自然豊かな地域だ。また、八ヶ岳全域では約500種類もの苔が確認されており、国内で確認された種類のうち4分の1が見られるうえに、白駒池周辺は全国的に見ても苔の景観が美しい地域でもある。
私なんかは山歩きをしていても「苔」とひとくくりにしてしまうが、一つ一つの苔にはそれぞれ特徴があり、拡大するとまるでひとつの森のように見えるという不思議さがある。
今回ご紹介した自然豊かな地域での散策と苔の観察会は、慌ただしい日常から離れてゆったりとした時間を過ごすことができそうだ。
白駒池周辺の景色と「にゅう」への登山
数年前に訪れた白駒池周辺。時期的には紅葉が始まる頃なので10月上旬だっただろうか。ここ数年は足が遠ざかっているが、紅葉の時期になったらぜひ行ってみたいなと思う。
北八ヶ岳には「にゅう」と呼ばれる山があり、白駒池の駐車場からであれば往復3時間ほどで登ることができる。北八ヶ岳方面の特徴である緑が濃く苔むす樹林帯を歩いて行くコースは、登山を楽しみながら森の散策をも楽しめるコースだ。
白駒池のほとりにある青苔荘はとても静かで雰囲気のある山荘なので、往路か復路に立ち寄って一息つくのも良いだろう。歩いているだけでも森から英気をもらえるコースだ。