子どもたちの夏休みも始まり、大人もそろそろ休みを取って帰省や旅行に出かけ始める時期になった。毎年お盆の時期は高速道路も公共機関も混雑するが、年間の三大流星群に数えられる星空の祭典が今年もお盆時期に出現する。さらに、今年は観測条件が揃っているというから、夏空を見上げて流星群を探すの楽しみもひとしおだ。
「ペルセウス座流星群」が8月13日に極大
(AstroArtsのHPから参照http://www.astroarts.co.jp/alacarte/2015/08/13/index-j.shtml)
毎年お盆の時期に出現するのがペルセウス座流星群。 1月のしぶんぎ座流星群、12月のふたご座流星群と並ぶ三大流星群のひとつだ。
今年のペルセウス座流星群は、 活動のピークが8月13日(木)の15時頃。ピーク時は日本では日中帯なので観察をすることができないが、流星群観測の目標となるペルセウス座が北東の空高く上るのが13日の未明。その時間帯が日本での観察には一番のチャンスのようだ。
また、流星群はピークとなる極大日だけではなく前後の夜もたくさんの流星を見ることができるので、12日から13日にかけてと13日から14にかけての二夜連続で多くの流星を見ることが期待される。
流星群を観察する時に気になるのが月明かりだが、8月14日が新月で月明かりが全くないため、その前後も条件的には非常に恵まれている。お盆休みの真っ只中で帰省や旅行でお出かけになっている方も多いと思うが、夏の夜空を横切る流星や火球を見ることができればとても良い思い出になるのではないか。
観察は空を見上げる形になるので寝袋などに入って夜空を眺めるスタイルが良いが、虫除け対策や防犯対策をしっかりと行って星空の祭典を楽しもう。
国立天文台が主催する「夏の夜、流れ星を数えよう 2015」
国立天文台ではペルセウス座の時期に合わせて、「夏の夜、流れ星を数えよう 2015」というキャンペーンを開催する。
”8月は流星を見る絶好のチャンス。このころ、ペルセウス座流星群が多くの流星を見せてくれるからです。 国立天文台では、ペルセウス座流星群が活動する時期に合わせて「夏の夜、流れ星を数えよう 2015」キャンペーンをおこないます。ペルセウス座流星群の活動が特に活発になる、8月12日の夜から15日の朝までの3晩の間に夜空を眺めて、流星がいくつ見えたかをインターネットで報告してください。”
サイトには流星群を観察する方法や流星の見分け方など、ペルセウス座流星群を観察するために役立つ情報も掲載されている。親子で観察してその結果を報告するというのも、ただ単に観察するよりもさらに楽しめるかもしれない。
時には宇宙に想いを馳せるのも悪くない
ペルセウス流星群の母天体はスイフト・タットル彗星という名前の彗星で、太陽を周回する周期が133年という気が遠くなるような動きをしている彗星だ。
この母天体スイフト・タットル彗星が太陽を周回する時に宇宙空間にチリを撒いていくが、その中を毎年この時期に地球が通過するため、大気圏に突入してきたチリが燃えて発光するのが流星群だ。
ペルセウス座流星群は年間でも常に1・2を争う規模の流星群で、 条件が良いと1時間あたり40個から60個もの流星が観測されるだけではなく、火球(かきゅう)と呼ばれる大きく明るい流星も出現することがある。
私もむすこが小学生の頃に、一緒にペルセウス流星群の観察で東京郊外に出かけたことがあるが、帰りに車の目の前の空に大きな火球が現れて思わず車を停めてしまった。地面にまで届くのではないかと思うほど大きな火球が、音もなく真っ暗な空を横切っていく姿はいまだに脳内映像となって残っている。
写真に撮ることができなくても、ビデオで映像を残せなくても、脳内映像として刻み込むことで遥か彼方の宇宙空間に想いを馳せることができる。なにかと忙しい毎日だが、時には星空を見上げて宇宙に想いを馳せるのも良いものだと思う。