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発想の転換が素晴らしい!北海道の小さな水族館「山の水族館」が人気な理由

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 もうすぐゴールデンウイーク。毎年、どこに行っても混雑しているので近場をブラブラすることがここ数年間の過ごし方だが、一度行ってみたいなと思う場所はいくつかある。

 最近知った北海道北見市にある小さな水族館もそのひとつで、思い切った発想の転換でリニューアルを行ったことで以前と比較して10倍以上の来館者が訪れる人気スポットになった水族館だ。

■生まれ変わった小さな水族館

 2012年7月にリニューアルオープンした北海道北見市の「山の水族館」。 厳寒の地として知られる北見市留辺蘂(るべしべ)町にある淡水魚水族館だが、リニューアルの際に取り入れられた「寒さを活用した展示方法」等が話題を呼んでいるようだ。

 元々は来館者が年間約2万人程しかなかったこの水族館は、リニューアルを境に7カ月で17万人を突破するという大人気スポットとなり、年間200万円から300万円の赤字という赤字経営から一転して人気スポットとなった。

 「山の水族館」は北見市と合併する前の旧留辺蘂町が1978年に開設した施設。 ピーク時は来館者が年間約5万人ほどだったが、小さな水族館はこれといった特徴がなく1998年から年間2万人台にまで来場者が減ってきたそうだ。

 そこで北見市は日本で唯一の水族館プロデューサー中村元 氏にリニューアルを依頼。予算が3億円という通常の水族館の20分の1ほどの超低予算だったことから逆転の発想を行い、さまざまな工夫を施すことで他の水族館にはない新しいタイプの水族館として生まれ変わった。

■世界初の「水面が凍る水槽」

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http://onneyu-aq.com/guide/guide02

 低予算の水族館では大掛かりな水槽を作ることができないが、ここでは「四季の水槽」と銘打たれた素敵な水槽がある。

 留辺蘂は冬場の最低気温が氷点下20度近く間で下がる極寒の地。 庭に穴を掘って作られた水槽は12月下旬には氷が張り始めるが、掘られた水槽内は屋内からガラス越しに見ることができるため、氷の下でニジマスやヤマメがどのように冬を過ごすかを見ることができる。

 季節折々の風景と川の中の様子を一度に見ることが出来る「四季の水槽」は、 ”凍る水槽”として「世界初」と銘打たれており、水族館では一番人気を誇っているようだ。

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http://onneyu-aq.com/guide/guide03

 その他にも北海道にしか生息しないイトウを集めた「イトウの大水槽」など、 北海道ならではの展示を行うなどとても工夫がなされている。少ない予算ながら工夫を重ねることによって来館者に楽しんでもらうという、 逆転の発想が功を奏した素敵な水族館に変身している。

■逆転の発想が素晴らしい

 逆転の発想で来場者が大幅に増えた施設と言えば、何といっても北海道旭川の「旭山動物園」だろう。リニューアルなどを行うときには「何ができるか」を考えるのが普通だが、「できないならばどう見せようか」という逆転の発想に立つことで活路を見出した良い例だ。

 今回ご紹介した水族館も「大型の水槽を作れないので目の前の庭に池を掘って水槽にする」という発想がすごい。出来上がったものを見るとなるほどなと思うが、これをゼロから考えるという創造力は並大抵ではない。

 私は以前、仕事で北見に出張することが度々あったが、その時にはまだ「山の水族館」がリニューアルする前だったので、申し訳ないことに存在すら知らなかった。なんとも惜しいことをしたなと思うが、リニューアル前であれば知っていても行くことはなかったかもしれない。

 なかなか行く機会のない道東だが、こういった施設を目的にして行く旅というのもなかなか楽しそうだと思う。