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シリーズ第四弾もノンストップの面白さ/「ラストワルツ」(柳 広司)

 人は自分とは異なる能力を持ったものに惹かれる。私が子どもの頃にちょっとした超能力ブームがあったが、スプーンを曲げるために奮闘した人も多いのではないだろうか。また、未確認飛行物体UFOがブームになったのもそういった理由があるのではないかと思う。

 「スパイ」というのも同じように興味深かった。特殊な能力を持っているだけではなく、派手なアクションと大きな陰謀に加担するというイメージは、子ども心にもワクワクドキドキしたことを思い出す。その昔テレビで放映されていた外国ドラマ「スパイ大作戦」が大人気だったのも、ジェームスボンドが派手に活躍する「007シリーズ」が大ヒットしたのもそういったことだろうと思う。

 ところが、本物のスパイというのはどうやらかなり地味な存在でなければならないようで、第二次世界大戦時に暗躍した日本のスパイも「目立たず」「潜伏する」ことが大切だったようだ。

 旧陸軍の中野学校は実在したスパイ養成期間。諜報や防諜などに関する教育や訓練を行っていた大日本帝国陸軍の軍学校だ。 新聞記者など民間人に扮して活動を行うことなどから、職業軍人ではなく一般大学や高等専門学校の出身者がほとんどだったようだ。

  現在世界各国で暗躍しているであろうスパイと呼ばれる人たちも、きっと「目立たない普通の人」として生活しているのだろう。そう考えると少し恐い。 

ラスト・ワルツ

 第二次世界大戦前夜に暗躍する日本のスパイを描いた人気作が、柳広司さんが書かれた「ジョーカーゲーム」。映画化もされて今とても人気のある物語だが、シリーズ第四弾となる「ラスト・ワルツ」も一気に読み切ってしまうぐらいの面白さだった。

 "魔王"の異名を持つ結城中佐が作り上げた、スパイ養成組織"D機関"。特殊な能力を持った日本のスパイたちが、特急列車の車内や仮面舞踏会、ドイツの映画撮影所など世界各国で究極の騙し合いを展開するという内容だ。

 「ジョーカー・ゲーム」はD機関の設立に関して描かれているのに対して、「ダブル・ジョーカー 」 や「パラダイス・ロスト」はD機関のスパイたちの暗躍ぶりや、敵対スパイ組織との攻防などが中心に描かれている。

 第四弾となる「ラスト・ワルツ」はD機関のスパイたちが主人公というよりは、スパイたちに関わった人々の生活が中心に描かれていて、それだけに普段の生活の中で暗躍するスパイの恐さを感じるストーリに仕上がっている。

 いや、恐さというよりは不気味さと言った方が良いだろうか。自分に起こる出来事が実は巧妙に仕組まれたことなのではないだろうか。そう思わせる面白さをこの物語は持っている。

ラスト・ワルツ

ラスト・ワルツ

 

内容(「BOOK」データベースより)
 疾走する特急車内、仮面舞踏会、ドイツの映画撮影所―加速する頭脳戦、ついに最高潮へ!世界各国で展開する“究極の騙し合い”に生き残れ。日本最高峰のスパイ・ミステリ。

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