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会社卒業後の「身の丈起業」は在職中の準備が大切だという話

今週のお題「卒業」

 会社を定年退職することを俗に「卒業する」というが、50才を数年過ぎた私にとってはかなり現実味を帯びた言葉として響いてくる。学校でも「卒業」とくれば「入学」「入社」という言葉がセットになるように、「会社を卒業」したら「新たなステップに入る」ということを考えておきたい。

■「身の丈起業」が増えている

「身の丈起業」塾  あなたにしかできない会社がきっとある

 昨年、東京都三鷹市で開講されていた「三鷹ネットワーク大学 身の丈起業塾」に通ってみた。「身の丈起業塾」の著者である前田隆正さんとひょんなことで知り合い、どのような講座なのか興味を持ったことがきっかけだった。

 この講座には30代の方がほとんどだったため一般的な起業に関する話が中心だったが、その中でも「定年退職後に起業する人が増えている」という興味深いお話があった。しかも、ほとんどの方が起業後の事業を順調に展開しており、廃業した人は過去5年間でゼロだというお話しだった。

 その理由としては第一に「身の丈に合った起業を行う」ということだった。「在職中の人的ネットワークをフル活用する」「まずは一人で起業して事務所も自宅から始める」「取引は現金商売を心がける」など、長い間会社勤めをしてきたことをベースに無理無く起業することが失敗しない秘訣だということだ。

 全ての人に当てはまることではないだろうが、定年退職後に起業するという方法は生きがいを見つけるという意味でも大切なことかもしれないなと感じた。

■在職中に起業することを念頭に置いておく

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 日本では「起業する」ということに関してネガティブなイメージが強いように感じる。高度成長期には終身雇用制が当たり前だったこともあって、会社あってこその個人という意識が社会にはまだまだ根強いような気がする。

 そういう考え方の根底にあるのは、ステップアップのための転職を良しとしない考え方であったり、定年退職まで会社のために身を粉にすることを求める考え方なのかもしれない。特に定年退職後の生活としては、再就職先を探して細々と働くとか自宅に隠居して悠々自適を決め込むということが一般的だと思っている人が多い。

 ひとつの会社に長く勤めているとそれだけである程度出世した時代ならまだしも、年金の受給開始年齢が徐々に引き上げられたり、事業の縮小に伴いリストラが一般的になった現代では自分のことは自分で考えざるを得ない時代になってきていると思う。

 再就職先の世話を誰かがやってくれたり、何もしないでも食べていけるだけの年金をもらえるという時代ではなくなったということだ。

 そういう意味でも、身の丈起業塾で提唱していた「在職中に退職後の起業を準備しておく」ということは大切なことだなと思う。

■在職中に準備しておくこと

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 身の丈起業では起業後の注意として、①自宅を事務所にしたり既存のPCをそのまま活用するなど徹底的に経費を押さえる、②今まで経験した仕事をベースにする、③在職中の人的ネットワークを活用するということなどがある。

 詳しい内容は割愛させてもらうが、在職中に準備できることという点で考えると、現在の仕事をベースとした新事業を考えてみたり、人的なネットワークを今まで以上に展開しておくことが対象となるのではないだろうか。

 だからといって、今の仕事とは全く関係のないことを行うのではない。今の仕事に今まで以上に打ち込むことで、結果として退職後の備えになる落ちという考え方だ。

 新事業を考えるためにはいろいろな情報を集める必要があるだろうし、人的ネットワークを広げるためには会社の内外でアクティブに動く必要もあるだろう。退職後のことをイメージしながら働くことで、今まで以上に仕事の成果も残せるし働きがいにも繋がるという相乗効果が期待できるのではないだろうか。

 もうひとつ大切なことは、定年退職前に身体の悪いところはきちんと治しておくこと。会社員時代は何かと無理をしがちだし我慢をしがちだが、将来的に一人で仕事をしようと考えるのであれば健康第一なのは間違いない。関節や歯などは将来に備えてきちんと手入れを行っておきたい。

 会社を定年退職して卒業することは、新たな生活への入学に繋がる。そう考えると中高年の働き方や動き方というのは、若い世代とは違う意味で活発になるべきだと思う。