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新シリーズも第三弾で面白さを増してきた「探偵の探偵Ⅲ」(松岡圭祐)

 年間160冊以上の本を読むほど本好きだが、書店で見かけて興味を持つ本もあるし新聞や雑誌の書評で興味を惹かれることもある。それ以外にもブログの書評が目に留まって買い求めることもあるが、ブログの書評というのは飾られない生の声なので面白い本に出会うことが多いなと思う。今回ご紹介する一冊も、ブログの書評を見て読み始めたシリーズだ。 

■物語の中の探偵は正義の味方

 名探偵コナンは大人が観ても面白い。テレビ番組も十分面白いが、映画版はストーリー展開も画像もさらに高品質で観ていて引き込まれてしまう。

 子どもの頃は「探偵」という言葉を聞くと、密室殺人や人里離れた別荘などでの難事件を解決したり、警察では対応してくれない社会の陰に隠れた事件を解決したりというイメージがあった。シャーロックホームズやポアロだけではなく、金田一幸助などの活躍にも胸を躍らせていたことを思い出す。

 大人になるとさすがにそのイメージのままだということはないが、それでも「探偵業」という仕事はどこかとらえどころがなくて不思議な職業だなという感覚を持っている。さらに、少々ダークなイメージがあるのも事実で、推理小説に出てくる脇役の探偵社などは特にその傾向が大きいなと思う。

 人は自分の世界観や経験からはみ出した事柄に出会うと、興味を持つか反発を覚えるかいずれかの反応を示すものだが、探偵という仕事には少なからず興味を覚える人が多いのではないだろうか。興味を持ったとしても、結局良く分からないなというのが結論なのだとは思うが。

■悪徳探偵を裁く探偵の物語

探偵の探偵3 (講談社文庫)

  松岡圭祐さんが書かれている新シリーズ「探偵の探偵」は、あっという間に3巻目が発売された。1巻目は主人公である美少女の紗崎玲奈が、探偵を裁くための探偵となった経緯や裁きぶりなどが綴られていて、2巻目は大掛かりな犯罪を暴くという内容だった。

 今回発売された3巻目は今までの犯罪に関する謎解きも含まれていて、巻を重ねるごとに面白みが増してきている。全巻を通じて登場する謎の悪徳探偵はどんな人物なのか、それを追う主人公と周辺の人々はどのように対応していくのか。物語の展開が早くてページをめくる速度が無意識のうちにアップしてしまう。

 松岡圭祐さんと言えば催眠術をテーマとした小説「催眠」でデビューし、「千里眼シリーズ」や「万能鑑定士Qシリーズ」などのヒット作を連発されている方だ。心理学的な要素を含みながらも、アクションや推理の要素を含んだ作品は読んでいて飽きない。

 悪を許さないために悪を働くという設定もすごいし、現代社会の暗部を描き出している作品としても興味深い。推理物好きな方でもアクション物好きな方でも楽しめるシリーズだと思う。 

探偵の探偵3 (講談社文庫)

探偵の探偵3 (講談社文庫)

 

内容(「BOOK」データベースより)

 悪徳探偵を「駆除」するためにまったく手段を選ばない玲奈は、警察から常時マークされることになる。玲奈は監視をかわしながら、自分と家族の人生を破壊した「死神」を追い続ける。ついに姿を現した死神の驚くべき正体とは。あまりに過酷な闘いに、はたして玲奈の心は持ちこたえられるのか?

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