東日本大震災が発生してからもうすぐ4年。全国各地で様々な支援活動が継続されているが、岩手県大船渡市の小さな文房具店が始めた被災地支援活動をご紹介したい。私も些少ながらしおりやハガキを購入することで協力させていただいたことがあるが、こういった継続的な取り組みがとても貴重だと改めて感じている。
■被災松を使ったハガキとしおり
岩手県大船渡市の小さな文具店「タケノ文具」さんが始めたのが、「ぼんずプロジェクト」という震災復興支援プロジェクト。タケノ文具さんは地元大船渡のシンボル樹木が「松」だということに着目し、津波になぎ倒された松を材料として木目を活かした素敵なオリジナル商品を販売。売り上げの10%を大船渡市に寄付されている。
私も被災松を使ったハガキとしおりを以前購入させていただいたが、しおりは被災松を薄く紙のように仕上げた葉っぱ型のものがつなぎ合わせてあり、「つなぐ」という言葉や「絆」という言葉を連想させてくれる。
しおりの裏には「made in ofunato」の文字が。 ひとつひとつがプロジェクトの皆さんの手によって作られていて、それだけでも温かい気持ちが伝わってくる。
ハガキは同じく被災松を紙のように薄くカットしてあり、宛名面には薄く丈夫な和紙が貼付けてある。裏面は木目がそのまま活かされているが、どちらの面もインクジェットプリンターでの印字が出来る加工が施されている。
いったいどうすればこういう仕上がりになるのかは分からないが、被災松を使っているというだけではなく品質的にも高い品物だなと感心した。
■企業とのコラボも進められている
(http://bonds-ofunato.shop-pro.jp/?mode=f4から参照)
ぼんずプロジェクトは少しずつ少しずつ進化してきていて、葉書やしおりだけではなく企業等とのコラボ商品も手がけるようになってきている。
ご当地キャラ”おおふなトン”とのコラボ商品や企業とのコラボ商品など、一軒の文具店が始めたプロジェクトとして地道ながらも徐々に活動の幅が広がってきているように感じる。
写真にあるとおり、被災松のしおりが三陸鉄道南リアス線の”運転再開記念切符”になるなど、活用方法もとても素敵で心に響く。売り上げの10%が大船渡市に寄付される仕組みになっているが、小さな文具店が始めたプロジェクトは多くの人の心を捉えていると思う。
「できることから少しずつ、継続して行う」というのが支援の基本だと思うが、それを思うことと実行することでは大違い。東日本大震災の記憶が薄れないよう、これからもこういった取り組みに少しでも参加していきたいと思う。