先日、買い物で2軒のお店に立ち寄る用事があった。どちらのお店も新人さんらしき若い女性が応対をしてくれたが、新人さんの指導方法に関して対照的な2店舗だった。
■とにかく厳しい指導のお店
一軒目のお店はケーキ屋さん。指導員役の女性店員さんが事細かく指導をしていたが、小声での指導ながらその声がレジに並んでいても聞こえてくる。指導するほうもされるほうも大変だなと思いながらレジを待っていたが、聴こえて来るのはとにかく厳しくて細かい指導だ。
「レジはもう打ったの?先に打つようにって言ったよね」
「この作業をやったことが無いなら手を出さないで」
「このあいだ教えたよね?教えた通りにやってね」
きちんと教えているのだろうが、相手に逃げ場を与えない指導だなと感じた。指導している本人は意識していないのかもしれないが、レジに並んでいるお客のところまで小声が聞こえてくるというのも問題だ。並んでいるお客さんは、私も含めていたたまれない気持ちになってしまう。
その後、指導されていた新人さんが私のレジを処理してくれたが、思わず「ありがとう、頑張ってね」と声をかけた。「ありがとうございます」と返事をしてくれた新人さんの顔は、笑顔ながら泣き笑いという感じでちょっとつらそうだなと感じた。
■明るく指導をするお店は雰囲気も明るい
指導するのは難しいなと思いながら、近所でも美味しいと評判のパン屋さんに入った。そこでも新人さんにお店の方が仕事を教えているところだった。
パンを買ってレジに並んでいるとここでも指導の声が。しかし、一軒目のお店と違って明るく笑顔のある指導だった。
「このパンはこう扱ったほうが良いんだよね。でも最初はわかんないよね」
「先にレジを打っておいてね。分からないことがあったらすぐに声をかけて」
「まだ慣れないのに良く気がつくね。オッケー!」
声をかけていたのは店長さんらしき女性の方だったが、小声ながら明るくてサバサバとした話し方には好感を覚えた。さらに終始笑顔で声をかけていたのが印象的だった。
レジ待ちの時に聞こえてきた小声の指導を耳にして、なんだか私までやる気が出てくるような気持ちになった。このお店のパンが美味しいと評判なのは、お店の雰囲気もあるのかもしれない。素敵な笑顔は相手も周囲もお店全体も明るくするのかもしれないなと感じた。
私も常に笑顔で相手に接することを忘れないようにしたい。そんなことを思わせてくれる素敵なお店だった。