札幌といえば味噌ラーメン。いつの頃からそう言われているのかはわからないが、私のような中高年世代の多くはそう思うのではないだろうか。そんな、個人的に思っている味噌ラーメンの街札幌で、昔ながらの雰囲気が漂う美味しいラーメン店に行ってきた。
■昭和の風情が漂う「ラーメン大公」
札幌の知人に「気軽に立ち寄れる美味しいラーメン店」として教えてもらったのが、創業昭和41年のラーメン店「ラーメン大公」。入口から昭和の香りが漂うラーメン店だ。
最近は味噌だけではなく様々な人気ラーメンが出されており、誰もが知っている有名店が札幌にも数多くある。時にはそういう有名なラーメンも良いが、ふらっと一人で気軽に入れるお店も良い。
店内はカウンター席と昔ながらのテーブル席が少々。箸箱や楊枝入れ、醤油差しなども昭和テイスト。壁に貼ってある著名人の色紙も、店の奥にある点けっぱなしのテレビも良い感じだ。
ラーメンの種類は、基本的には味噌と塩と醤油の三種類。そこをベースとして、チャーシューだったり野菜だったり、あるいは辛さだったりでバリエーションを出している。
私が頼んだのは普通の味噌ラーメン。味噌の味がしっかりとしていて、麺もコシがあって美味しい。餃子も頼んでみたが、こちらも肉と野菜の旨みがしっかりとしていて美味しい。
久しぶりに「懐かしくて美味しい味噌ラーメン」を食べたような気がする。やはりラーメンは気軽に食べて満足するというのが良い。
◇「ラーメン大公」
住 所:北海道札幌市中央区南二条西5丁目1
交通手段:地下鉄大通り駅・すすきの駅から共に徒歩7分
西4丁目駅から175m
営業時間:11:00~23:00
定休日 :第1・第3水曜
■店内の雰囲気も抜群だ
味も良いならお店の雰囲気も良い。お店のおかみさんにラーメンを頼むと「餃子は良いの?」と威勢良くポンポンと聞かれる。お〜、それじゃあ頼んでみようかなとなる。その聞き方が押し付けがましくなくて気持ち良い。
私がお店に入った直後に、飲み会帰りと思われるサラリーマン二人連れも入ってきた。「おかみさん、まずはビール一本!」とホロ酔い加減で注文すると、すかさず「うちは飲み屋じゃないからね。餃子も焼こうか?」と返される。酔っぱらいもすかさず「良いね〜、お願い!」となる。
私がラーメンを食べ始めた頃には、部活帰りと思われる男子高校生が団体でどやどやと賑やかに入ってきた。7〜8名で入ってきた高校生たちは、床にドカッと荷物を置くと「味噌ラーメン大盛り!」だとか「しょうゆ大盛り!」だとか、とにかく大盛りのオンパレード。
するとくだんのおかみさんが「はいはい、大盛りね。水を人数分コップに入れて配ってくれた子は大盛りサービスだよ」と声をかける。高校生らは「おれがやる、おれがやる」と一斉に給水器の前に行こうとして可愛い。
私は一人で食事をするのがちょっとうら寂しくて大の苦手なのだが、このお店ではそんな気持ちが吹き飛ぶぐらい楽しく食事をさせてもらった。お店というのはこうでなくちゃなと思うのは私だけだろうか。
知人が札幌に行くという情報を聞いたら、迷わずおススメするお店のひとつだ。