おやこでポレポレ《文房具好きブログ》

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今年最後の一冊は壮大な物語だった/「荒神」(宮部みゆき)

  今年は年間で約170冊ほどの本を読んだ。小説が主だが、ビジネス書などもその中に入っている。また、コミックも好きでむすこと二人で良く読んでいるので、読んだ総数で言えば優に200冊を超えていることになる。

 子どもの頃から本好きだったが、年齢とともにその傾向が強まってきているような気がする。テレビをほとんど見ないため、一日少なくても数時間は本を読む時間にあてられることになるし、通勤や出張の移動時には必ず本を読んでいる。それが読書量を増やす秘訣なのかなとも思っている。

 私が読書好きなのは何も勉強家だということではなく、本を読むことで現実とはまったく違う世界に飛び込めることが好きだし、それがとても良い気分転換になっているからだ。

 もちろん、必要な知識を得るために専門書を読むこともあるし、ビジネス書で様々な知識を得ることも多い。しかしそれは「必要に迫られて読む」のであって、「読書を楽しんでいる」ということでは無いような気がする。

 通勤時や出張の移動中には区切りの良い短編集などを読んでいるが、気分転換のために読むのはやはり長編が良い。さらに自分の生活とは大きく異なる、独特の世界にどっぷりと浸れるような、例えば時代小説であったりSF小説であったりするとさらに良い。

 子どもの頃から夢見がちなところがあったし空想癖もあったので、自分の知らない時代の物語を読むことは思い切り気分が変わるし、自分の精神が身体から切り離されて物語の中に入り込んでしまうような錯覚も覚えることがある。だからこそストレス解消や気分転換になるのではないかと思っている。

荒神

 今年最後に読んだ物語は宮部みゆきさんの「荒神」という一冊。江戸時代の物語で設定がとても壮大だった。なおかつSF的な要素も兼ね備えていて、さすがに天才宮部みゆきさんの作品だけあるなと感心してしまった。

 舞台は江戸元禄時代の山あいにある隣り合った藩。山の麓にある両方の藩はそれ以前の時代から諍いが絶えず、人狩りと呼ばれる行為が勃発しているなど常に緊張状態を強いられていた。そこに突然現れたのが信じられないような災いをもたらす怪物。二つの藩は藩境を中心として徐々に大きな恐怖に包まれていく。

 時代のもたらす不条理さとそれに翻弄される人間模様を巧みに描きながら、災いをもたらす怪物を巡って物語は展開していく。二つの藩の位置関係や人間関係が割と複雑なので、巻頭に人名関連図と地図が用意されているぐらいだ。

 読み始めて最初の頃は藩同士の関連が分かりにくかったり人的相関が分かりにくいように感じるが、読み進めて行くうちに徐々にそれが分かり始める。分かり始めてからがこの物語は面白さを一層増していき、最後まで一気に読み進めて行くことになる。

 人智を超えた災いは、人智を超えた方法で解決して行くことになるが、その中でも人の心の哀しさや温かさなどが織り混ざっており、読後には清涼感をも覚えるような素敵な物語だった。

 今年もいろいろな良書と出会ったが、一年の最後に素敵な一冊と出会えて良かったと思う。来年も健康で健やかに生活するとともに、良書と出会えることを心から願っている。

荒神

荒神

 

内容(「BOOK」データベースより)
 時は元禄、東北の山間の仁谷村が一夜にして壊滅状態となる。隣り合う二藩の因縁、奇異な風土病を巡る騒動…不穏さをはらむこの土地に“怪物”は現れた。仁谷擁する香山藩では病みついた小姓・直弥や少年・蓑吉らが、香山と反目する永津野藩では専横な藩主側近の弾正や心優しきその妹・朱音らが山での凶事に巻き込まれていく。恐るべき怪物の正体とは?交錯する北の人々はそれぞれの力を結集し、“災い”に立ち向かう!