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デザインと伝統技術で東北の障がい者施設を救う/「東北和綴じ自由帳展」(東京銀座)に行ってきた

 日頃から「デザインには商品力を高める力がある」と感じている。どんなに素敵な商品でも、”見せ方”がマッチしていないとその商品の魅力を引き出すことができないと思う。まさに「見せ方」は「魅せ方」だ。

 一方で「伝統技術」も現代の私たちを魅了するもののひとつで、日本独自の美意識や風土に合わせた工夫にもまた惹き付けられる。そんな「惹き付けられるもの」のコラボによって、東日本大震災で被害を受けた東北の障がい者施設と地域を支援するという展示会が開かれている。

■和綴じで作られた自由帳

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 東京銀座にある2カ所のギャラリーで開催されているのが、「東北和綴じ自由帳展」という催し物。クリエイターがデザインした表紙を使った和綴じの自由帳が、多数展示即売されている。

 私が出向いた会場はJR新橋駅から歩いてすぐのところにある「クリエイションギャラリーG8」で、リクルートGINZA8ビルの一階にある開放的なギャラリーだ。程近い場所にある「ガーディアン・ガーデン」でも同じ催し物が行われており、それぞれのギャライーで異なったクリエイターの作品が展示販売されている。

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  ガラス張りのギャラリーに入ると棚には和綴じの自由帳が展示され、手前の平台には展示されているものと同じ自由帳が販売用として置かれている。真っ白な壁が印象的なギャラリーで、足を踏み入れたとたんに異空間に入ったような感覚を覚えた。

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 展示フロアーは3部屋に分かれていて、入り口から入り右奥には大きな部屋と小部屋とが並んでいる。大部屋にも和綴じ自由帳がずらりと並べられていて、どの作品も直接手に取って手触りや風合い、内容を確かめることができるようになっている。

 また、大部屋では製作風景が写真と動画で紹介されており、どのような環境でどのようにして作られているかが分かるようになっている。

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 今回の展示会は、販売による収益金を東北の被災地支援として寄付することが目的なので、こうやってひとつひとつ手に取ってから購入できるという工夫がなされている。購入する側にとっても良いシステムだなと感じた。

「和綴じ製本」とは、日本の伝統的な製本方法。デジタル化が進み大量生産・大量消費の現在では、和綴じ製本を見かけることが非常に少なくなりました。この昔ながらの技術を東北のみなさんが身につけ、糸でひとつひとつ綴じていく自由帳プロジェクトには、「東北から、人と未来を結ぶ」という願いを込めています。 表紙は、若手から第一線で活躍するクリエイターまで、187人がボランティアでデザインをしています。そして、自由帳本文(無地)の用紙には、日本製紙の宮城県石巻工場で開発・生産された「b7バルキー」を使用。震災で津波による大きな被害を受けながらも、復興作業のなかで1年を経て開発された用紙です。(http://rcc.recruit.co.jp/co/exhibition/co_nen_201411/co_nen_201411.html)

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 自由帳は表紙を彩っているデザインにそれぞれ想いが込められていて、その想いが丁寧な文章で紹介されている。一冊900円という価格だが、被災地への寄付に充てられるということを考えると決して高くはないと感じた。

 製法は日本古来からの技術である「和綴じ」という伝統的な製本方法。この製本を東北の福祉作業所に皆さんが丁寧に行い、一針一針に想いを込めて仕上げている。しっかりとした綴じ方にも満足できる自由帳だ。

 この展示会は12月20日まで開催されているので、どちらかのギャラリーに足を運び、和綴じの美しさを実感していただきたい。

□東北和綴じ自由帳展

開催期間:2014年11月26日(水)~ 12月20日(土)
会場期間:11:00a.m.-7:00p.m. 日曜・祝日休館
入場料 :無料
http://rcc.recruit.co.jp/co/exhibition/co_nen_201411/co_nen_201411.html

会場1 :クリエイションギャラリーG8
     東京都中央区銀座8-4-17 リクルートGINZA8ビル1F

会場2 :ガーディアン・ガーデン
     東京都中央区銀座7-3-5 ヒューリック銀座7丁目ビルB1F

 ■独自の支援方法に共感を持つ

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 東日本大震災の復興支援にはいろいろな形がある。ボランティア活動で労役を提供する方法もあるし、募金を募って寄付するという方法もある。また、地元産の品物を購入したり流通経路を確立させたりするという方法もある。

 今回の「デザインと伝統技術」との組み合わせで商品販売を行うという方法もそのひとつだが、そこには「作業を発生させる」というもうひとつの重要な意味が込められていると思う。

 障がい者施設では単に利益をあげるということだけではなく、利用者の作業を作り出すということも必要となる。それは作業を行うことで生き甲斐を見つける人々のために必要なことであり、利益をあげることと同等かそれ以上の意味があると思う。

 会場には和綴じで製本を行っている様子がビデオで流されているが、一針一針一生懸命に紐で綴じている作業者の様子を見ると、さらにその思いが強くなった。

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 今回私が買い求めたのがこの2冊。それぞれの表紙デザインに意味が込められていて、そのどちらにも暖かい雰囲気が漂っている。デザインをされたクリエーターの方々や、丁寧に製本を行った方々のことを思い出しながら、丁寧に大切に使うことにしたい。