気分はポレポレ よろず情報ブログ

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タンデムツーリングで北海道の旅、20年前の宗谷岬が懐かしい

「遠くへ行きたい」 #地元発見伝
https://www.google.com/maps/preview?q=45.522272%2C141.936469
稚内市, 北海道オホーツクライン

地元の魅力を発見しよう!特別企画「地元発見伝
http://partner.hatena.ne.jp/jimoto/

 昔はバイク乗りだった。20才で中型バイクの免許を取り、初めて買ったのがホンダのバイク。その後、紆余曲折があって最終的にはヤマハのバイクに乗るようになった。

 20代の頃はとにかく速いバイクに乗りたくて、技術も無いのにカッ飛ぶような元気の良いバイクに乗っていたが、30才を過ぎた頃にスピード熱も徐々におさまりバイクの旅を楽しめるようになってきた。

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 その頃バイク店で見かけて一目惚れしたのが、ヤマハのSRX400というバイク。単気筒ながら高回転域までスムーズに吹き上がり、低速から中高速までエンジンが良く回るバイクだった。

 エンジンが良く回るとは言っても、やはりそこは単気筒のバイク。高速道路を走っているとハンドルがビシビシ震えるような振動があって、やはり中低速でのんびり走らせるのに向いているのかなと思ったりしていた。

■釧路からジグザグに宗谷岬を目指す旅

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http://www.welcome.wakkanai.hokkaido.jp/sightseeing/rekishi_kankou/saihokutan/

 このバイクで北海道ツーリングに行ったのはもう20年も前のこと。30代で働き盛りだった私は仕事に追われ、土日もどちらかは必ず仕事をしているような感じだった。

 そんな忙しい初夏の夜、仕事を終えて帰宅中にふと駅で見たポスターに「バイクを空路で運ぶ」という文字を見つけた。北海道まで空路でバイクと人を運んでくれて、好きな空港から再び東京に戻れるという企画。空いている便を使うからなのか、バイクの空路代もぜんぜん安い。

 仕事で疲れた頭の中に真夏の北海道の風景が浮かび、「そうだ!北を目指そう!」と発作的に申し込みをしてしまった。まだむすこが生まれる前だったので身軽だった私たち夫婦は、デイパックとタンクバッグに詰め込めるだけの荷物を詰めて、数週間後にはタンデムバイクツーリングに旅立った。

 空路で釧路に到着したのは夕方だったのでそのまま宿泊し、翌日から「釧路ー帯広ー網走ー旭川ー稚内」という6泊7日の超強行スケジュールで北海道をツーリングした。北海道の道東と道央、道北をジグザクに進みながら最北端を目指す旅は、キツいながらも気ままで楽しかったことを思い出す。

 タンデムツーリングで荷物をそれほど多く持てなかったこともあり、途中途中の街でコインランドリーで洗濯したり、格安の地元の温泉に入ったりと移動距離の長い行程の割にはノンキな旅を楽しんだ。有名観光地に寄る事なく、単純にバイクの旅を楽しんだのが良かったのかもしれない。

 最終日に宗谷岬に到着し「あ〜、最北端まで来たんだな〜」と感慨深くなるはずだったが、実際には駐車場に鳴り響く宗谷岬の歌に意表をつかれて「うん、こんなもんだ」と思ったのが今では懐かしい。

 青空の下に真夏の青い海が広がり、遠くにサハリンが見えていた。文句ひとつ言う事無く、6泊7日のバイクの旅に付き合ってくれた妻には心から感謝している。

■あれから20年以上経って

 子どもが生まれてから自然とバイクから遠ざかり、バイクも売り払ってしまた。しかし、風を切りながら走る感覚はとても素晴らしかったなと思うし今でも時々思い出す。

 子どもが大きくなってから再びバイクに乗るという中高年の方も多いようだし、大型バイクでのんびりと気ままに走る旅はとても素晴らしいだろうなとも思う。時々ツーリングをしているバイクを見ると、バイク旅は風を感じる旅なんだよなとも思う。

 しかし同時に、この先バイクに乗ることは無いだろうなとも思っている。体力的な問題でもなく、興味が無くなってしまったわけではない。多分、生まれ育ったのが鹿児島で「本土最南端」を知っていただけに、「本土最北端」を知ったことで自分の中で何か区切りがついたのかもしれない。

 宗谷岬で見た風景は「遠くに行った」という思い出とともに、20年以上経った今でも昨日のことのように思い出す。