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雑貨屋はこうやって作るんだ!「カナリヤ手帖―ちいさな雑貨屋さんのつくり方」(トノイケ ミキ)

 文房具店も好きだが、文房具類がおいてある雑貨店も好きだ。子どもの頃、実家が文房具屋だったのが影響して無意識に懐かしさが胸に浮かぶのだが、色とりどりの文具類や雑貨類を見ていると心が和む。ちょっと変だと思われるかもしれないが、そういう方は意外に多いのではないだろうか。

 雑貨店に限らずお店を開くというのは、簡単なようで大変なことだと思う。しかし、会社員を長く続けていると具体的な店舗の立ち上げ方というのが案外分からない。起業に関する本はいくつもあるが、そんな中でエッセイ的な雑貨店立ち上げの一冊に出会った。

■実体験を綴った一冊

カナリヤ手帖―ちいさな雑貨屋さんのつくり方

   「カナリヤ手帖―ちいさな雑貨屋さんのつくり方」は10年前に発売された本だ。雑貨屋さんを開きたいと思っていた一人の女性が、同じ想いを持った友人と店舗を立ち上げる様子が描かれている。

 書物の種類としては「起業」とか「ビジネス本」の部類に入るのかもしれないが、一般的なノウハウなどが書かれているわけではない。あくまでも、著者のトノイケさんが考えたことや体験したこと、店舗を立ち上げるまでと立ち上げてからのことが時系列に書かれている。

 だからといってノウハウが書かれていないわけではない。会社員時代から起業するまでのことや物件の選び方、手続きから大家さんとの交渉ごと、仕入れやディスプレイのことなどが丁寧に書かれている。実体験をトレースしているからこそ得られる情報が詰まっている一冊だ。

 考えてみれば起業というのは人それぞれで千差万別。もちろんある程度のセオリーというものはあると思うが、個々人で起業するための条件も違えば環境も違うので、こういった実体験をトレースした書籍の方が案外得るものが多いかもしれない。

  興味深く最後まで一気に読める一冊だった。エッセイとして読んでも面白いと思う。

カナリヤ手帖―ちいさな雑貨屋さんのつくり方

カナリヤ手帖―ちいさな雑貨屋さんのつくり方

 

出版社からのコメント
大阪の西天満に小さな雑貨屋さんカナリヤがあります。 司法書士事務所や、会社が入っている、レトロビジネスビルの2階。 普通なら絶対お店なんかできないような、この場所で3年前産声をあげた、カナリヤ。 このカナリヤの店主、トノイケミキさんが、OLを辞めて、このお店を作り、 ここまで続けてくるために編み出した企業秘密?を、後に続く雑貨屋さんを作りたい女の子のために書き下ろしました。

 ■実店舗は大阪の西天満にある

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 雑貨屋「カナリア」は大阪西天満にあるビルの2階で現在も営業している。書籍が発行されたのが10年前なので今はどうなったんだろうと思いネットで調べてみたが、現在も営業をしていることを知り何だかホッとしてしまった。

 書店もしかり、文房具店もしかり、雑貨店もしかりだが、最近は大型店舗に押されて街の小さなお店が徐々に減ってきている。大型店舗には無いこだわりの書籍や商品が置いてあるのが個人店舗の良さだが、品揃えや価格では大型店舗にはかなわない。だからこそ、個人店舗には個性的な品揃えを期待したい。

 同じ品物なら安く買いたいと思うのは当然だが、個性的な品物を置いてある店舗が増えれば、「他では見かけない品物がある」「少々高くても気に入ったものを買う」という人が増えるのではないかと思う。そうなることで街にも活気が出てくると思うがどうだろうか。私自身もそういった行動をとるように心がけたい。

 大阪に行く機会はなかなか無いが、年に1〜2回は出張で出かけることもあるので、次に大阪出張が入った時には時間を作ってぜひ「カナリア」を訪れてみたいと思う。