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ユニバーサル農園を実践している「京丸園」の取り組み(静岡県浜松市)

 障がい者雇用には様々な方法や形態があるが、「知的・身体・精神などの障がいがある方を農業の場で雇用する」という取り組みが浜松で行われている。就労移行支援ではなく福祉でもなく企業として取り組んでいる農場では、障がい者雇用を行っているからこそ生まれる事業運営の良さを肌で感じさせてくれた。

■障がい者雇用を行ったからこそ生まれた創意工夫

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  ご縁があって見学をさせていただいたのは、静岡県浜松市にある「京丸園」という農場。水耕栽培やあいがも農法などが行われている農園だが、障がい者雇用も積極的に進めている。

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 ちんげん菜を水耕栽培している広大なビニールハウスには、これから出荷されるのを待っている野菜が緑の絨毯を敷き詰めたように広がっていた。

 苗をひとつずつ水耕栽培の容器に埋めて行く作業にも、育った野菜を出荷用の建物に運ぶ作業にも障がいのある方々が携わっている。また、この農場で働いている方の最高齢者は83才だということを聞き、障がい者だけではなく高齢者にも優しい、まさにユニバーサルな農園なんだなと驚いた。

■人に合わせた作業方法で効率があがる

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 園主の鈴木さんのお話を聞いて、胸に響く言葉がたくさんあった。その中でも、「作業に人があわせるのではなく人に作業をあわせることで、結果的に農場の効率化も図れる」という言葉だった。

 例えば、障がい者雇用や高齢者雇用を進める中で、真夏には高温となるビニールハウスでの作業は健康的にも危険を伴う。そこで、ビニールハウスの道路向かいに空調設備の効いた建物を用意した。その中で作業を行うことによって作業環境が改善され、以前よりも何倍も出荷作業がはかどった。

 「結果として同じ人員で出荷量が増えたので利益も増加したんです」「障がい者雇用を行わなければ、私たちはこういうやり方に切り替えなかったのでありがたいことだと思っています」と語る鈴木さんの言葉には素直に感激した。

 「変わるべきは健常者なんだ」という言葉にも、鈴木さんの経営姿勢が良く現れていると思う。利益を出さなければ障がい者雇用や高齢者雇用が続けられない。そんな想いも持ちながら日々創意工夫を行っている京丸園には、農業の発展とユニバーサル社会の実現の双方を叶えるビジネスモデルを見ることができた。

 こういった経営姿勢というのは誰でもできるというものではない。だからこそ、消費者としてはこういった生産者の姿勢まで考慮した買い物をすべきだとも思った。ささやかながら京丸園を応援して行きたいと思う。


京丸園…姫みつば、姫ねぎ、姫ちんげん、京丸トマト、京丸みつば、あいがも農法無農薬米

■おまけの宙球写真

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 ちんげん菜の宙球(そらたま)写真。先日ご紹介した「宙球レンズ」を持参して撮ってみたが、水晶に野菜を閉じ込めたようなフワッとした写真になった。


不思議な写真が撮れる「宙球(そらたま)」を試してみた - おやこでポレポレ