どちらかというと和食派の私だが、パンも決して嫌いではない。焼きたてパンの香ばしい香りが漂ってくると幸せな気持ちになるし、時にはおいしいと思うパンを思い切り食べたくなることもある。そんな「思い切り食べたくなる」おいしいパンが、思いがけず会社にやってくることになった。
■スワンベーカリー町田2号店のパン
私の勤務する会社は複数のロケがあるが、そのうちのひとつのロケに先週から週一の割り合いで昼食用のパンが販売されることになった。販売するのは「スワンベーカリー町田2号店」。おいしいパンを焼いているお店だ。
スワンベーカリーは、元々ヤマト運輸の特例子会社(障害者雇用を行う会社)である株式会社スワンが運営する店舗の総称。現在、直営店3店舗を含めて全国に29店舗を展開するベーカリーショップだ。
直営店以外の店舗は社会福祉法人やNPO法人、それに準じた会社などが運営母体となっており、直営店と同様に障がい者雇用を行いながら運営を行っている。
スワンベーカリー全店舗において「アンデルセン」や「リトルマーメイド」を全国展開しているタカキベーカリーの生地を使っており、香り高いおいしいパンがたくさん並べられた。
この日は販売初日だったが並べる側からドンドン売れて行き、販売開始予定時刻の5分後には持参していただいた80個のパンが全て売り切れてしまった。昼食として食べるだけではなく、翌日の自宅での朝食として買い求める人も多く、障がい者雇用のベーラリーということではなくおいしいパンだから売れたということが素晴らしいなと感じた。
■手渡しの温かさ
昔と違って自動販売機で物を買うことが多くなったが、やはり手渡しで商品をやり取りするするのは気持ちが温かくなる。コンビニでのマニュアルどおりのお礼を言われるのではなく、商品について一言二言言葉を交わしてから心のこもった「ありがとうございました」という言葉と満面の笑顔を見てそう思った。
コンビニとは違う言葉の温かさは、やはり実際に作った方が販売も行っているからだろうと思う。自分が丹誠込めて作ったパンが、自分の目の前で売れて行く。自分が作ったパンのことを聞かれて、どのような味なのかを力強く答える。買った方の嬉しそうな笑顔もまた笑顔を呼ぶ。
そんな気持ちのやり取りがあるからこそ、こういった直売方式というのは人気があるんだろうなと思う。商品のやり取りを行うだけではなく、気持ちのやり取りを行っているからこそ生まれる温かさ。こういうやりとりを大切にしていきたい。