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本好きなら共感を得られる「書店ガール」シリーズ(碧野圭)

 面白いなと思う小説はシリーズ化されることが多い。タイトルが同じで通番がふってあるものもあるし、小説のタイトルは違うものの主人公や登場人物が同じだというものもある。

 今回読んだのは書店を舞台としたシリーズ物だが、1巻目から最新の3巻目までを一気に読むことによって、おもしろさも倍増したような気がする。

■書店の女性社員が活躍する物語

書店ガール (PHP文芸文庫)

 今日ご紹介するのは碧野圭さんの「書店ガール」シリーズ。現在シリーズ3巻目が発刊されたばかりだが、書店員からの支店で書かれたこのシリーズは、本好きの私にはとても興味深く楽しく読むことが出来た。

【内容情報】(「BOOK」データベースより) 吉祥寺にある書店のアラフォー副店長理子は、はねっかえりの部下亜紀の扱いに手を焼いていた。協調性がなく、恋愛も自由奔放。仕事でも好き勝手な提案ばかり。一方の亜紀も、ダメ出しばかりする「頭の固い上司」の理子に猛反発。そんなある日、店にとんでもない危機が…。書店を舞台とした人間ドラマを軽妙に描くお仕事エンタテインメント。本好き、書店好き必読。

 主人公の西岡理子は吉祥寺の書店で働く正社員の書店員。アルバイトから社員になったという下積みの長かった彼女は、アラフォーの今も年老いた父親と二人で生活している。

 綺麗で凛とした雰囲気の理子にはファンも多いが、何となく結婚に縁がないまま現在に至っている。

 一方、理子の下で働く正社員の亜紀は、親のつてで最初から正社員として入社した元気いっぱいの若手女性書店員。嫌なことは嫌だとはっきりと言いすぎる性格で、他の女性書店員から嫌がらせを受ける。しかし、それでもめげず我が道を突き進んでいく亜紀は女子の理子とは全く合わない存在だった。

 そんな時に理子が店長に昇格してまもなく、吉祥寺店が閉鎖されるという噂が流れてくる。本部の会議でも明言された閉店話に対して、理子は売り上げを大幅に上げることを条件に吉祥寺店の存続を願い出る。

 今まで反目し合っていた亜紀も、理子と一緒になって売り上げ回復のための手だてを行い、店は徐々に売り上げを伸ばしていくが・・・

 ここまでが「書店ガール」の内容で、その後事態は二転三転しながら進んでいく。物語のテンポが良くて、何よりも主人公の理子と亜紀のキャラクターが強くて元気で非常に良い。

 その後、「書店ガール2」で理子と亜紀のプライベートを含めた新たな展開を見せ、「書店ガール3」で東日本大震災の影響を受けた書店の物語へと展開していく。

 テンポ良くすっきりと読めるが、読み終わったときに何かが心の中にしっかりと残るシリーズだと思った。本好き、書店好きの方にもオススメのシリーズだ。

■ますます本が好きになる

 このシリーズを読んでますます本と書店が好きになった。暇があれば会社帰りに書店を覗いているが、物語に出てくるような書店員さんがいれば良いのになと思ってしまう。

 物語の登場人物と実際の働く人とを比べるのは論外だが、本好きが思い浮かべる理想の書店員さんが描かれていると思う。

 私が覗く書店はいくつかあるが、時々行く一件の書店は古参の女性書店員さんがアルバイトの若い男性をいつも叱っている。レジの近くでネチネチと小声で叱っているのが聞こえて気分が良くないし、そういうお店は平台がいつまで経っても同じ内容だったりする。

 逆に、良く行く一件の書店は店員さん同士がとても朗らかで、優しいやりとりが時々耳に入ってくる。そういうお店は不思議と平台の本が頻繁に整理されていて、毎日覗いても積まれている本にどこかしら変化があって楽しい。

 書店に限らずレストランやホテルなどでもそうだが、いくら設備や品ぞろえが良くても、働く人のサービスや挨拶が良くないと利用する価値が無いと思う。

 特に本はどこで買っても同じ値段なので、どうせなら気持ち良く買えるお店で買おうと思ってしまう。なにも終始ニコニコして欲しいと言うことではない。「ありがとうございました」という言葉に心を込めて欲しいだけなのである。

書店ガール (PHP文芸文庫)

書店ガール (PHP文芸文庫)

 
書店ガール 2 最強のふたり (PHP文芸文庫)

書店ガール 2 最強のふたり (PHP文芸文庫)

 
書店ガール 3 (PHP文芸文庫)

書店ガール 3 (PHP文芸文庫)