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若者よ、「おごられ上手」になってくれ!

 5月の連休も過ぎて、4月に入社した新入社員はそろそろ職場に馴染んでくる頃だろうか。逆に仕事に対する悩みが出始める時期ではないだろうか。

 企業によっては2か月から3か月ほど新人研修を行うところもあるようだが、社会人・企業人としてのマナーなど基本的なことは覚えても、それ以上のことは実際に職場に入ってからということになるだろう。

 そんな新入社員や若手の皆さんには、ぜひ「おごられ上手」になって欲しい。

■「おごられ上手」とは

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 このフレーズを見たときに「怒られ上手」と思った人もいるのではないだろうか。「怒られ上手」ではなく「奢られ上手」になって欲しい。お昼ご飯をご馳走されたり、営業の途中で立ち寄った喫茶店でコーヒーをご馳走になったりという「奢られ」である。
 もちろん、「怒られ上手」や「叱られ上手」になることも大切で、それを推奨しているビジネス本も見かける。しかし、個人的にはまずは「奢られ上手」になって欲しいと思う。

 私がまだ若いころ(数十年前の話だが)、たくさんの先輩や上司にごちそうしてもらった。当時、九州から上京して一人暮らしをしていたということもあって、とにかく「食べろ食べろ」「飲め飲め」といった感じでごちそうしていただいた。

 最初は嬉しくてハイハイ言いながらいただいていたが、そのうちさすがに「ごちそうされっぱなしというのは申し訳ないな」と思い、その旨を伝えて上司に断ったことがある。

 その時の上司がとても素敵な人で、私の申し出をなるほどなと受け止めた後に「俺も上司にごちそうされてきた。いまそれを部下に返しているだけだから気にする必要はない。お前も将来部下を持つようになったらごちそうしてあげればいいんだ」と言われた。

 素直にカッコいいなと思いながら、なるほどそういうもんかなと思ったことを思い出す。さらにその時に「上手な奢られ方」みたいなものも教えてもらい、しばらくごちそうされる時期が続いた。

■どうして上司や先輩はごちそうしたくなるのか

 ここからはあくまでも私見。

 上司や先輩がご馳走するときには、感謝して欲しくてごちそうするわけではない(たぶん)。なかには そういう人もいるかもしれないが、ほとんどの場合には「感謝の気持ちを伝えたい」ということなんだろうと思う。

 また、私の場合には若いころは常にお金がない金欠病(古い)だったので、今の若者を見ると同じように「無駄なお金は使えないかもしれないな」と思ってしまう。若い人から見ると大きなお世話かもしれないが、そう思ってしまうものは仕方がない。

 そういうこともあって、ちょっとコーヒーを飲むとか、ちょっとお昼を食べるとかという時には、ついついごちそうしたくなってしまう。いつも仕事で助けられているなと思う部下であればなおさらだ。

 上司によって個人差があるとは思うが、もしそういう上司がいたら「感謝の気持ちなんだ」と思って素直にごちそうになって欲しい。上司というのは案外シャイで、素直にありがとうと言えないものでもあるからだ。

■奢られ上手とはどういうことか

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 さきほど「昔の上司に上手な奢られ方を教えてもらった」と書いたが、具体的にはどういうことか。それは、「丁寧にお礼を述べて」「素直にうれしさを表現する」ということだった。

 コーヒーショップに入って「今日はごちそうするよ」と言われたら、「えっ!良いいんですか?ありがとうございます」とまずはお礼を言う。飲む前に「ここのコーヒー美味しいんですよね」などと素直に感想をいう。基本的にはこれだけのこと。

 昼食などをごちそうになった時には、「ごちそうさまです」とお礼を言って一足先にお店を出る。レジのところで一緒に立っていてはいけない。支払いを済ませた上司や先輩がお店を出てきたら、待ち構えていて再び「ごちそう様でした」とお礼を言う。

 当たり前のことを当たり前に行うだけだが、それだけで相手は気が済む。

 時々「いつもごちそうになってばかりなので、今日は自分の分は払います」という人がいるが、それだと相手の好意を無視したことになってしまいかねない。そんな時は「次は私に払わせてください」という言葉の方が気持ち良い。

 あるいはどこか出かけたときにちょっとした小ぶりのお菓子を買ってきて、「ご家族でどうぞ。いつもお世話にになっているお礼です」と渡すのでも良い。

 感謝の気持ちでごちそうになったら、感謝の気持ちで返す。それが「おごられ上手」になる一番の心得だと思う。

■ごちそうする方も気をつかうべき

 ごちそうする方(上司)にもある程度の節度と心遣いは必要だ。たとえ感謝の気持ちで若手にごちそうするとしても、毎回毎回だと逆に相手が困ってしまう。場合によっては一緒にお店にいくのをためらってしまうかもしれない。そうなってしまったら元も子もない。

 だからこそ、ごちそうする方は毎回ごちそうしたくなる気持ちをグッと抑えて、何かごちそうする理由がある時にごちそうするように心がけるべきだ。

  例えば、営業に出かけて話がうまく進んだ時に「お祝いだ」と言いながら一杯のコーヒーをごちそうする。難しい仕事が一段落したときに、「今日はごくろうさん会だ」といいつつお昼をごちそうする。そんな感じだろうか。

 ここで気を付けたいのは「コーヒー」や「ランチ」にとどめておくこと。夕食や飲み会などだと、誘われること自体が負担になる場合があるからだ。

 ごちそうする方もされる方も、「さりげなく」というのがスマートで良いと思う。