仕事をしていると会議や打ち合わせが日常的にあり、長過ぎる会議や結論が出ないままダラダラと時間が過ぎてしまう会議もある。そんな中、最近参加した会議で実に見事な会議運営を行う方に出会い、さすがにできる人は会議や打ち合わせのコントロールがうまいなと思った。
■最初にゴールを共有する
出席した会議は複数の異なる会社が集まり、ひとつのプロジェクトを遂行するというもの。4社からそれぞれ2~3名が出席して10数人での会議となった。
会議を主宰していた会社の女性マネージャーMさんが、まず初めに「今日の打ち合わせのゴール」を明示し、出席者全員の了解を取ってから会議が始まった。
この女性マネージャーとは以前から仕事でご一緒する機会が多かったが、判断が早くて考え方のバランスが良く、いわゆる「できる人」というイメージのある方だった。
この日の会議はMさんの進行がとても素晴らしくて、会議のゴール(求める結論)に向けて穏やかながら真剣なやり取りが行われ、予定していた1時間という時間内に参加者全員が納得できる結論を得ることができた。
会議の冒頭に「今日のゴール(求める結論)」が明示され共有されことで、会議が最初から最後までぶれずに進むという、気持ちの良い感覚を得ることができた。
■横道にそれてもさりげなく本筋にもどす
社内の会議でもよくあることだが、本筋とは関係のない話が飛び出すことがある。
例えば「契約のスキーム」に関して話し合っている最中に、「そういえば契約書の雛形ってどこが用意するんだっけ?」というような話を出す人がいたりする。そのこと自体は関連する話ではあるが、その時点で必要な内容ではないというようなことだったりする。
今回の会議でも同じような場面があったが、司会役のMさんが「それは大切な内容ですね。ちょっとメモしておいて後で相談しましょう」とすかさず議論を元に戻した。発言した方も気分を悪くせず、議論も無駄に拡散しないというスマートな方法は素晴らしい。
さらにそのことをホワイトボードの隅に書き留めたうえで元の議論を進めたため、結果的に現在の議論も早々に解決するというおまけつきだった。もしかしたらそういったことも狙ってのことだったかもしれないが、実にスマートなさばきぶりだなと感心してしまった。
■クロージングもお見事
結局最後までMさんの会議コントロールが効果的に働き、1時間という限られた時間の中でも濃厚な打ち合わせを行うことができた。
会議の終盤にMさんは「それでは、本日決まったことを確認しますね」と、当日の決定事項や次回までの懸案事項、課題点などを口頭で周知し、全員の同意を得てから会議をクローズした。
さらに、帰社してからほどなくして、Mさんから会議終了時に確認した事項を、項目毎に整理したメールが届くというきめ細やかな対応には驚くばかり。もともと才女として誉の高い方だったが、今回のことで「やっぱり、できる人は会議のコントロールもうまいんだな」と感心しきりだった。
感心ばかりしていないで、私も少しでも近づけるよう日々精進したいと思う。
先日読んだこの本にも、会議や打ち合わせを効果的かつ効率的に行うためのノウハウが書かれている。読んでみるとMさんが使っていた手法もいくつも書かれていて、会議や打ち合わせの進行というのは非常に重要なんだなと再認識した。