東京はここ数日暖かい日が続いていて、通勤途中にある桜も日当たりの良いところでは一気に咲いている木も見かけるようになりました。桜の咲く季節が今年もやってきましたね。
■桜前線が順調に北上中
天気情報サイトの「tenki.jp」では、毎年この時期になると桜の開花情報と開花予想図が掲載されています。
これを見ると今年は昨年よりも少し遅いながらも、例年通りの時期に桜前線が北上しているようです。昨年はかなり早く咲き始めましたので、今年は「いつも通りの桜の開花」がみられそうです。
桜は、「晩秋に冷え込み春先に暖かくなると開花が早くなる」と言われていますが、昨年の晩秋に冷え込みが厳しかった四国と九州は若干平年より早いものの、その他の地域はおおむね平年並みになるようです。
「桜の花をバックに入学記念写真を撮る」というのは時期的に関東付近までかもしれませんが、桜の花が咲き始めると春がやってきたなと感じます。
■「ソメイヨシノ60年説」というのがあるらしい
桜と言えばソメイヨシノを思い浮かべますが、ソメイヨシノに関して面白い話を聞きました。
先日ラジオで流れていたのですが、ソメイヨシノは江戸末期から明治のはじめにかけて育てられた桜で、種子では増えずすべて人の手で接ぎ木などで増やしていった桜なんだそうです。
つまり現在全国にあるソメイヨシノの起源をたどって行くと、ただ一本の木にたどりつくことになるというお話でした。なんだかすごいと思いませんか。
また「ソメイヨシノ60年説」というのがあって、「接ぎ木で増えたクローン樹木なので耐性が弱く、60年ほどですべて枯れてしまう」というような内容のもの。
この説については「いわゆる都市伝説だ」という話でラジオは締めくくっていましたが、桜の木を巡ってこれだけ色々な話が出るということは、それだけ日本人にとって桜は特別なんだなと感じました。
■人はなぜ桜を見ると嬉しくなるのか
考えてみると梅の花や桃の花など春に咲く美しい花は他にもたくさんあるのに、開花宣言や開花情報が流れるのは桜の花だけ。それだけ日本人は桜の花が大好きなんだなと、自分自身を振返ってもそう思います。
諸外国のことは良く分かりませんが、日本人が桜の開花を待ちわびたり花見を楽しんだりするのはどうしてなんでしょうか。
良く言われている話としては、
・農耕民族だったので、桜の咲く時期を待ち遠しく感じていた
・江戸時代から定着した花見の習慣が”めでたい”という縁起の良さを継承した
・日本人の持つ”滅びの美学”と桜の花の散り方がマッチしている
などなど、いろいろな説が出てきます。
これだけたくさんの説が出てくるというのも、日本人が桜の花を大好きな証拠なんだろうなとも思います。
いろいろな説があってその真偽も定かではありませんが、私個人に限って言えば「日本の年度替り時期」と「両親が育んでくれた季節感」の二つが、もっとも大きな要因だと思っています。
東京以西では桜の咲く時期と年度の終わりである3月とが重なっていて、卒業式や入学式の際には桜の花の下で写真を撮ったりお祝いをしたりします。また、日本では除夜の鐘で一年の厄を落としたり、新年度から気分一新してみたりと「リセットの文化」があるように思います。
季節感に関しては花見や桜餅など、桜の花を愛でる風習を親から子へ伝えてきていますので、ご先祖様から連綿と続く「子どもに対する季節感の醸成」が私の中でも育っているからだと思います。
いずれにしても待ち遠しい桜の開花。早く満開の桜を見ながら家族でお花見をしたいなと思っています。