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[P]豊富なアイデアに思わず唸る、元気が出る「組織に埋もれず」(高杉 良)

 昨年は「半沢直樹」シリーズがテレビドラマでブレイクして、書籍でも企業小説が書店の平台にたくさん並んでいるお店もあります。企業小説はいろいろな方が書いていらっしゃいますが、高杉良さんが書かれる企業小説もワクワクしながら読み進めることが出来ますよね。

■旅行会社で次々とヒット商品を生み出した男の物語

組織に埋れず (光文社文庫)

 今日ご紹介するのは高杉良さんの書かれた「組織に埋れず 」という一冊。旅行業界でヒット商品を出し続けた男の物語で、パワフルな活躍と次々と繰り出されるアイデアに圧倒される物語でした。

「年金ツアー」「積み立て旅行」-一度は辞表提出まで考えたJTBのはぐれ社員が、驚くべき新商品を次々に開発した。才気溢れるヒットメーカー誕生の秘密は、どこにあるのか?人材活用の要諦とは何か?そして、仕事を通じて自己を実現し、企業に新しい生命を与える開発者魂とは何か?厳しい時代のいまこそ読むべきモデル経済小説の傑作。(「BOOK」データベースより)

 これが実話だとすると、まさに「真実は小説よりも奇なり」という言葉がピッタリの物語です。主人公はとにかくパワフル。困難があってもそれを楽しんでいるのではないかと思えるぐらいの活躍ぶりで、次々と旅行業界でのヒット商品を生み出していきます。

 組織の中でも縦横無尽。部署を跨いでの調整も役員との調整も、自分が信じた方向であれば粘り強く物怖じせず突き進んでいきます。

 この「突き進み具合」が読んでいて気持ち良い。自分自身が出来なことを難なく押し進めていく主人公に、読み進めながら心の中で拍手喝采をしてしまう。そんな感覚を覚えながら一気に読んでしまいました。

 ヒット商品というのは出来上がった商品を見ると「なるほどな」と思うものの、何も無いところから考えていくというのは至難の業だと思います。

 しかし、この物語を読んでみると、「何も無いところからヒット作品を生み出すコツ」のようなものが見えてきます。それは「常に好奇心を持って物事を見ること」と「気になることがあったらとにかく行動する」ということ。そして「これだと思ったら粘りに粘る」ということなどでしょうか。

 いずれも当たり前といえば当たり前のことですが、実際そのとおりに動けるか否かが、新たな商品やサービスが出来るか出来ないかの境目なんだなと感じました。

 そして、行動力などとともに重要なのが「人間関係」を大切にすること。いくら行動力があっても、それをフォローしてくれたり理解してくれる人間関係を有さないと、どんなに良いものも世の中に登場しないんだなということを感じました。

 読んで元気が出る一冊。働くことに対して勇気が出る一冊だと思います。

 おススメですよ。 

■「組織に埋れず」(光文社文庫)

著者:高杉良

価格:667円(税抜)

発行:2009年11月20日

サイズ:文庫

ページ数:419p