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〔P〕不思議な世界はこの方ならでは!「夢違」(恩田陸)

 好きな作家さんは何人かいて、それぞれに独自の世界観をもっていらっしゃいます。精神的な世界を描いた作品の多い恩田陸さんの最新文庫本も、とても不思議でとても興味深い一冊でした。

■夢の世界を描いた一冊 

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  今日ご紹介するのは恩田陸さんの「夢違」という一冊。夢を映像化して見られるようになった世界が描かれていますが、夢を映像化されることの怖さがジワジワと忍び寄ってくる一冊です。

【内容情報】(「BOOK」データベースより)

夢の映像を記録した「夢札」、それを解析する「夢判断」を職業とする浩章のもとに、奇妙な依頼が舞い込む。各地の小学校で頻発する、集団白昼夢。浩章はパニックに陥った子供たちの面談に向かうが、一方で亡くなったはずの女の影に悩まされていた。日本で初めて予知夢を見ていると認められた、結衣子。災厄の夢を見た彼女はー。悪夢が現実に起こるのを、止めることはできるのか?戦慄と驚愕の新感覚サスペンス!  

 恩田陸さんの作品は現実と非現実の境目が曖昧なものがいくつもあって、読見終えた時に「結局どうなったんだろう?」と結末が分かりにくいものもあります。

 今回ご紹介している「夢違」もそんな作品のひとつで、物語の中で発生する事件や出来事の明確な結末が示されているのではなく、読者自身が読み終わってからこうだったのかなと推測するような感じの終わり方をしています。

 そういう意味では、読んだ方によっては物足りなさを感じるかもしれませんし、逆に「夢」が持つ不思議さを身体中で感じる方もいらっしゃるかもしれません。

 私は「夢は外側から来る」という言葉や「誰かを夢で見るのはその人があなたに会いたいからだ」という言葉が妙に心に残って、自分自身の夢に対して深々と考えてしまうような読後感を覚えました。

 恩田陸さんの作品の中では、個人的には「ライオンハート」が大好きです。時空を超えて愛情が連綿と続いていくという内容ですが、独自の世界観と次々と現れては消えていく過去と未来が混沌として続いていく内容には引き込まれてしまいました。

 物語の中の出来事を通じて自分自身の内面を見つめてしまう一冊。今回読んだ「夢違」はそんな一冊だと思います。

「夢違」

著者:恩田陸 出版社:KADOKAWA 価格:680円(税抜) 発売日:2014年02月25日 サイズ:文庫 ページ数:501p