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〔P〕「総理の夫」(原田マハ)

 政治の世界を題材とした物語はいろいろありますが、そのほとんどは政治の裏側を暴くようなハードボイルドなものが多いような気がします。今回読んだ一冊は、そういった作品とは一線を画す心温まる一冊でした。

■日本初の女性総理が活躍する物語

総理の夫

 今日ご紹介するのは原田マハさんの「総理の夫」という一冊。日本初の女性総理の活躍を、夫の視点で捉えた心温まる一冊です。

20XX年、相馬凛子は42歳にして第111代総理大臣に選出された。夫である私・日和は鳥類研究家でありながらファースト・レディならぬファースト・ジェントルマンとして、妻を支えようと決意する。凛子は美貌、誠実で正義感にあふれ、率直な物言いも共感を呼んで支持率ばつぐん。だが税制、エネルギー、子育てなど、国民目線で女性にやさしい政策には、政財界の古くさいおじさん連中からやっかみの嵐。凛子が党首を務める直進党は議席を少数しか有せず、他党と連立を組んでいたのだが、政界のライバルたちはその隙をつき、思わぬ裏切りを画策し、こともあろうに日和へもその触手を伸ばしてきた。大荒れにして権謀術数うずまく国会で、凛子の理想は実現するのか?山本周五郎賞作家が贈る政界エンターテインメント&夫婦愛の物語。(Amazon)

 原田マハさんの作品には「働く女性」を主人公とした作品が多く、迷いながらも強く生きていく女性の姿が描かれています。

 今回ご紹介する「総理の夫」は日本初の女性総理の活躍を描きながらも、それを支える夫の温かい視点で綴られているところが少し趣を異とする部分です。

 夫の日和は大財閥の次男坊という設定で、おっとりとして優しい性格の持ち主。対して妻の凛子は政策系シンクタンクにも所属していたことのある、才色兼備の野党党首。意外な組み合わせで物語が展開していきます。

 物語の展開も「夫である日和の日記」という形で進行していきますが、黒幕的存在の政治家の陰謀があったり支持率低下を狙った謀略があったりと、思わず引き込まれてしまう出来事が連続します。

 女性総理の相馬凛子が繰り出す政策や行動は、読んでいて心からの喝采を送りたくなりますし、夫の日和とのやりとりも時には冷たい関係になりながらも心温まる結末へと進んでいきます。

 読み終わった時に心が温かくなり、爽やかな気持ちにもなることができる一冊です。おすすめですよ。

総理の夫

総理の夫