おやこでポレポレ《文房具好きブログ》

大好きな文房具や書籍、日常のことなどを更新中です!

「太陽おばば」(雀野日名子)

 何気なく立ち寄った書店の平台に置かれた一冊が、何となく気になって買って読んでみる。そういうことが時々あります。そして、そういう時に限って良い本に出合える確立も高いような気がします。今回もそんな素敵な一冊に出会いました。

■読み進めるごとにグイグイと引き込まれる一冊

太陽おばば (双葉文庫)

 今日ご紹介するのは雀野日名子さんの「太陽おばば」という一冊。不思議な能力を持つおばあちゃんが、疲れた人の心を癒していくというちょっと変わった設定、意外な結末を迎える物語です。

【内容情報】(「BOOK」データベースより) 不妊による離婚や、ままならぬ仕事のことで鬱々と過ごしていたフリーライターの舞は、耶知子さんというおばばと出会う。耶知子さんは、わだかまりを抱いたまま「死」を迎える人々の心に、不思議な力で分け入ってゆくことができた。そんなおばばと過ごすうちに舞は、ライターとしてこの世に書き残すべき本当に大切なことを見つけていたー。人間の弱さや身勝手さをも優しく包み込んでくれる、余韻切ない連作ミステリー。

 この物語は5つのエピソードに分かれていますが、それぞれが関連しあって結末へと進んでいきます。

 読み始めた時には、疲れた女性フリーライターが老女と出会うことで癒されていくほのぼのとした物語なのかと思いました。しかし、第一話を読み終わったときにその感想は吹き飛び、奇想天外な物語だったんだと気がつきました。

 しかし、奇想天外な内容に一度に転換するわけではなく、ジワジワと徐々に徐々に独特の世界観に引き込まれてしまうような感覚なんです。

 そして迎える最終話。そこにはあっけらかんとした登場人物の雰囲気とは裏腹に、哀しくて切なくて、それでも心温まる結末が待っていました。

 人は哀しみを抱えながら生きているものの、生き方によってはそれもまた良いもんだなと思えるような一冊です。年の瀬の忙しい時期ですが、心をホッとさせるにはうってつけの一冊。

 オススメですよ。ぜひ。

太陽おばば (双葉文庫)

太陽おばば (双葉文庫)