修正テープはコンパクトなタイプは持ち運びしやすいし、しっかりと握れる大型のタイプも使い勝手が良い。こういった商品は大きさで使い心地や携帯性が変化するが、ヘッドの動きで正確性を増す工夫がされた修正テープもなかなかの使い心地だ。
ヘッドが回ってピタッと決まる
文具メーカーのゼブラといえば筆記具を思う浮かべるが、昨年発売を開始した「 クルティア」は使い心地の良い修正テープだ。直径23mm、高さ65mmの小さなボディは、手の平にすっぽりと入って扱いやすい。
根元の部分をくるっと回すと修正テープのヘッド部分が出てくるので、使わない時に汚れてしまうことを防いでくれる。ちょっとしたことだが便利な機能だ。
さらに特筆すべき機能は、修正テープのヘッド部分が360度クルクルと回ることだろう。ヘッド部分だけが回るのではなく詰め替えもできる内部全体が回るのだが、そのおかげで常に紙面に垂直にヘッドが着いている状態になる。
http://www.zebra.co.jp/press/news/2015/0811_2.html
修正テープを使う時にやりがちなのが、ヘッド部分を斜めにしたまま使ってしまうこと。そうなると消したい部分の半分しか消せなかったり、ヘッドが止まってしまったりというトラブルにつながってしまう。
この商品はヘッド部分を回転させることによって、極力紙面に対してヘッドを垂直に保つことでトラブルを解消してくれる。また、360度回転することから、持ち替えなくても縦にも横にも使えるというのもメリットのひとつだろう。
ちょっとしたことだが使いやすい。こういうアイデアを考え付くのは素晴らしいなと思うし、こういったアイデアを知るとますます文房具の機能美に惚れ込んでしまう。
アンケート調査と分析が必要な機能を生む
この商品を開発するにあたって、ゼブラ社では20代から50代までの男女に「修正テープに関する意識調査」を行っている。
その中で浮かび上がってきたのが、「きれいに引けない」「持ち運びにくい」「カートリッジ交換が手間」「置き場に困る」 という不満。それを解決するために、ヘッドが360度動くという機能とカードリッジ交換を簡単にするという機能と、縦型でどこにでも置けるという形状を開発したそうだ。
商品開発を行う上でアンケート調査やマーケティング調査を行うというのは当たり前のことかもしれないし、それを分析して商品に反映するという方法も基本なのかもしれない。
しかし、実際に分析結果を的確に商品にするというのは難しいことだろうと思う。無から有を生み出すことは、至難の技だと思う。そういった至難の技が詰まった道具を、ほんの数百円で使うことができるというのが、文房具好きを文房具好きにする一つの理由ではないかと思う。